トランプ関税の影響は母の日にも、花が値上がり 南米からの輸入も多く

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農場にチューリップを摘みにきた人=7日、カナダ・オンタリオ州/Mert Alper Dervis/Anadolu/Getty Images

農場にチューリップを摘みにきた人=7日、カナダ・オンタリオ州/Mert Alper Dervis/Anadolu/Getty Images

(CNN) 「母の日」は全米の生花店にとって書き入れ時だ。しかし、今年は、トランプ大統領による大規模な関税の発動という新たな負担が加わった。トランプ関税によって花の値段が上昇し、一部の消費者は花の購入を控えつつある。

アイオワ州ティフィンにある「ハイドランジア・ブルーム」のアリソン・クリバチェク氏はCNNの取材に対し、「値上げせざるを得なくなり、それが売り上げに確実に響いている。それがよくわかる。人々には以前ほど自由に使えるお金がない」と語った。

米農務省によれば、米国で販売される切り花の80%は、コロンビアやカナダ、エクアドルから輸入されている。

こうした花の大部分はコロンビアとエクアドルから輸入されており、年間を通して育成可能な気候が花卉(かき)関連産業を支えている。こうした国々は現在、関税に直面しており、米国への輸出費用が上昇している。

レンディングツリーの調査によれば、関税や経済への懸念から多くの買い物客が母の日の買い物を控えており、母の日の買い物の支出は14%減少した。

国勢調査局のデータによれば、米国は2024年に約22億6000万ドル(約3300億円)の切り花を輸入した。コロンビアが市場の60%を占め、エクアドルが25%で続く。

スローフラワーズ協会の創設者で、花卉の米国での生産を提唱するデブラ・プリンジング氏は、米国の花卉産業は輸入に依存する形で構築されてきたと指摘。「好ましくはないが、それが現実だ」

ハイドランジア・ブルームのクリバチェク氏によれば、トルコキキョウなどの花の値段は前年比で倍になり、バラも10%から50%値上がりした。値上がり幅は10%の関税が反映される額よりも大きい。

クリバチェク氏は「関税はそれほど高くないのに、これほど急騰しているのは奇妙だ」と述べた。需要と供給のバランスによって値上げが行われているかどうかもわからないという。

こうしたことを受けて、母の日向けの最も人気のあるアレンジの値段を100ドルから125ドルに値上げした。顧客に対しては透明性の確保に努めてきたものの、需要は打撃を受けている。

クリバチェク氏は「母の日は前年比で約30%減少した」と肩を落とした。客の多くは花を購入したあと自身でアレンジを行っているという。

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