テスラの欧州販売は4月も不振 マスク氏の政治姿勢が逆風か、競争も激化
(CNN) 欧州で電気自動車(EV)の購入が増える一方で、米テスラの販売は急減が続いている。
4月の統計によると、英国、オランダ、デンマーク、ポルトガル、スウェーデン、フランスでテスラ車の販売が大幅に減少した。
米国と同様に、テスラの最高経営責任者(CEO)イーロン・マスク氏の政治姿勢は欧州でも反発や抗議を招いている。マスク氏はドイツや英国で一部の極右候補を支持している。トランプ米政権での目立った役割や、欧州製品に高率関税を課す脅しへの怒りも、欧州市場で敬遠される一因となっているかもしれない。
英国は今年第1四半期にテスラが販売を伸ばした数少ない欧州市場のひとつだったが、4月の販売は前年同月比で62%減となった。業界団体SMMTによると、英国全体のEV販売は同月に8%増えたにもかかわらず、テスラは大幅に落ち込んだ。
デンマークでは67%減、オランダで74%減、ポルトガルで33%減となった。スウェーデンでは81%減、フランスでも59%減だったと各国の業界団体やロイター通信が報じている。

テスラのショールームの外で抗議デモを行う人たち=独ベルリン/Maryam Majd/Getty Images
マスク氏の評判だけが販売不振の理由ではない。中国のライバルで、今年テスラを抜いて世界最大のEVメーカーとなる見通しのBYDなど、他社からの競争激化も影響している。
テスラは2025年通期の販売目標を示していないものの、最近の販売減とマスク氏への反発を踏まえ、アナリストの一部は通年の販売減少を予測している。
欧州自動車工業会(ACEA)によれば、欧州全体のテスラ販売は今年第1四半期に36%減少した。欧州のEV販売が同期間に24%増加したのとは対照的だった。