米ロ首脳会談、ゼレンスキー氏の同席を完全には排除せず 米ホワイトハウス
(CNN) ウクライナ情勢をめぐって米アラスカ州で15日に開催される米ロ首脳会談について、米ホワイトハウスは、トランプ大統領がロシアのプーチン大統領と会談する際、ウクライナのゼレンスキー大統領の同席を完全には排除していないことがわかった。情報筋が明らかにした。
トランプ氏が米ロ首脳会談の開催を発表したことをうけて、欧州の首脳は会談の条件や、ウクライナが将来に関する協議から排除されないかを確認するため、外交的な動きに追われた。
英国では、欧州当局者が急きょ、米国のバンス副大統領と会談した。複数の欧州首脳は、トランプ氏の外交努力を支持する一方で、和平協議の前には停戦が必要であり、ウクライナも協議に積極的に関与する必要があると述べた。
ゼレンスキー氏は15日の会談の参加者としては名を連ねていない。だが、事情に詳しい情報筋2人によれば、ホワイトハウスはゼレンスキー氏を一部の会合に含める可能性を完全には否定していない。当局者は、ゼレンスキー氏が関与する場合は米ロ首脳会談後になる可能性が高いと述べた。
今回の首脳会談は急速に準備が進められており、詳細はまだ流動的だ。正確な開催場所も発表されていない。米当局者によると、トランプ氏は「3者会談」にも前向きだが、プーチン氏が要請した二国間協議を準備しているという。
トランプ氏が会談の計画を公表して以降、米国の同盟国を取り込むための水面下での外交努力が続いている。
トランプ氏の発表にはゼレンスキー氏をいつ、どのように和平交渉に参加させるのかについては触れられていなかった。ゼレンスキー氏や欧州首脳は、戦争終結の議論にはウクライナの参加が不可欠だと繰り返し主張している。
バンス氏は9日、訪問先の英国で、欧州の当局者らと会合を開催した。会合では、欧州側が条件を提示したほか、プーチン氏が米国のウィトコフ特使へ提示した計画について、より多くの情報を求めた。
欧州側は、ウクライナの協議参加や、停戦の先行、ウクライナが領土を譲る場合はロシアも占領地を返還する必要があると強調。フランス、イタリア、ドイツ、ポーランド、英国、欧州連合(EU)、フィンランドの首脳は声明で、ウクライナでの殺害を止め、ロシアの侵略戦争を終わらせ、ウクライナに公正かつ永続的な平和と安全を実現するためのトランプ氏の取り組みを歓迎すると述べた。
声明では、ウクライナの和平への道はウクライナ抜きでは決定できないと強調。国境を武力で変更してはならないという原則を堅持し、現在の接触ラインが交渉の出発点となるべきだと指摘した。戦争を終結させるための外交的な合意には、ウクライナが自国の主権と領土保全を効果的に防衛することを可能にする強固で信頼できる安全保障が担保されていなければならないとしている。