アルメニアとアゼルバイジャンが和平協定、トランプ氏との会談で締結 両首脳からノーベル平和賞への推薦も

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アルメニア・アゼルバイジャン両国首脳がトランプ大統領の見守る中和平協定を締結した/Andrew Harnik/Getty Images

アルメニア・アゼルバイジャン両国首脳がトランプ大統領の見守る中和平協定を締結した/Andrew Harnik/Getty Images

(CNN) 米国のトランプ大統領は8日、アルメニアとアゼルバイジャンの首脳をホワイトハウスに迎えた。ここで両首脳は和平協定を締結。協定には南コーカサスの重要な輸送回廊を米国が独占的に開発する権利の付与が盛り込まれた。回廊にはトランプ氏にちなんだ名前が付けられる予定。

協定の目的は、長らくくすぶるアルメニア・アゼルバイジャン間の緊張緩和と、当該地域の経済発展の促進にある。この他米国に対し、アルメニア領土を通過する新たな輸送ルートを長期的かつ独占的に確保する権利を付与する。

トランプ氏はアルメニアのパシニャン首相、アゼルバイジャンのアリエフ大統領を伴い、「多くの人が解決策を模索してきた」「しかしこの協定によって、我々はついに和平を実現した」と述べた。

その上で「35年間、死と憎しみが続いたが、今からは愛と尊敬、成功が共に訪れる」と強調。目の前でパシニャン氏とアリエフ氏が握手を交わす中、トランプ氏は満面の笑みを浮かべた。

トランプ氏を確実に喜ばせるための譲歩として、上記の回廊は「TRIPP」と名付けられる。これは「国際平和と繁栄のためのトランプ・ルート」の頭文字を取ったもの。2期目の就任から6カ月、トランプ氏は自らを国際平和の推進者と位置づけようとしている。

政権高官によると、このプロジェクトはアルメニアの法管轄下で運営され、米国は建設と管理を担当するコンソーシアムに土地をリースすることになる。

回廊に自身の名を冠する決定について、トランプ氏は大変な名誉と示唆しつつ、自分が求めたことではないと述べた。

今回の協定は、ホワイトハウスが世界中で仲介役を務めてきた一連の外交協定の最新事例となる。先月末にはカンボジアとタイの間で停戦が成立したが、これに先駆けトランプ氏は、両国間の戦闘が続くなら貿易交渉を打ち切ると警告を発していた。

トランプ氏が大統領選で掲げた世界中の戦争を終結させるとの公約を実現するべく、ホワイトハウス当局者は外交努力を優先してきた。トランプ氏は米国がより直接的に関与する二つの戦争、すなわちイスラエルのガザ紛争とロシアのウクライナ侵攻の解決に苦慮しているが、政権はこれまでのところ比較的小規模な紛争への取り組みを強調している。

トランプ氏自身は、個々の和平合意によって長年切望してきたノーベル平和賞受賞が近づくはずだと主張している。

ここまで複数の外国首脳がトランプ氏の歓心を買おうと同氏をノーベル平和賞に推薦してきた。アルメニアの首相とアゼルバイジャンの大統領も8日、同賞にトランプ氏を推薦した。

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