ロシアの石油輸出、ウクライナ侵攻以降の最高水準に上昇

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ロシアの石油企業ガスプロムネフチのモスクワ郊外の製油所=2022年4月28日/Natalia Kolesnikova/AFP/Getty Images

ロシアの石油企業ガスプロムネフチのモスクワ郊外の製油所=2022年4月28日/Natalia Kolesnikova/AFP/Getty Images

(CNN) ロシアの石油輸出が、1年以上前にウクライナへの侵攻を行って以降最高の水準に達したことが分かった。国際エネルギー機関(IEA)が16日、石油に関する月次報告で明らかにした。

同報告によるとロシアの4月の原油及び精製油の輸出量は1日当たり830万バレル。原油輸出の増加分が石油製品の減少分を相殺したという。

欧州連合(EU)は昨年、ロシア産原油の海上輸送からの輸入を全て禁止。石油精製製品の輸入も全面禁止した。こうした制裁措置にもかかわらず、ロシアは石油輸出を伸ばした。

大量の石油の輸出先を中国とインドに振り向けたことが要因となっている。

インドは侵攻開始以降、ロシア産石油の最大の輸入国の一つだ。さらにそれらの石油を精製燃料として欧州に輸出してもいる。

英紙フィナンシャル・タイムズが16日に発表した記事の中で、EUのボレル外交安全保障上級代表(外相)は、インドによるロシア産石油の欧州での再販売をEU諸国は厳しく取り締まるべきだと主張。こうした慣行を通じてロシアは制裁を回避していると警告した。

IEAも報告の中で、ロシアはほとんど問題なく自国の原油や石油製品の買い手を見つけているようだと述べた。

それでも4月の輸出による収益は前年同月比で27%低下したと、IEAは推計している。

ロシアの国家予算の約45%を占める石油・ガス部門からの税収も、同時期で3分の2近く下落した。

IEAは、ロシアが減収を補う手段として石油輸出を増やしている可能性があると指摘。先月は主要産油国でつくる石油輸出国機構(OPEC)プラスに対して行った日量50万バレルの輸出削減の約束も果たさなかったとの見方を示した。

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