英世帯の3分の1、貧困に直面か 今冬の光熱費高騰で

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来年1月から3月にかけ、英国の約1050万世帯が「燃料貧困」に陥るとする推計が発表された/Andrew Matthews/PA Images via Reuters

来年1月から3月にかけ、英国の約1050万世帯が「燃料貧困」に陥るとする推計が発表された/Andrew Matthews/PA Images via Reuters

ロンドン(CNN Business) 英国の3分の1近くの世帯はこの冬、高騰が予想される1月の光熱費を支払った後、貧困に直面する――。貧困対策に取り組む団体がそんな推計を明らかにした。

9日に発表された「エンド・フューエル・ポバティ・コーリション(EFPC)」の推計によると、来年1月から3月にかけ、英国の約1050万世帯が「燃料貧困」に陥る見通し。これは光熱費を支払った後の収入が貧困ラインを下回ることを意味する。

英国政府は国内中央値の6割以下の収入の世帯を「貧困」と定義している。公式統計によると、2021年の英世帯収入の中央値は3万1000ポンド(約500万円)。

今回の予想は、9日に発表された調査会社「コーンウォール・インサイト」の新たな推計に基づく。これによると、世帯光熱費の平均額は10月からの1年間で3582ポンド、1月からの1年間で4266ポンドに達する見通しで、1カ月当たり約355ポンド(約5万8000円)という計算になる。

1月の予想光熱費は現在の水準から116%増となる。燃料価格の高騰に推計値の更新がなかなか追いつかない状況で、コーンウォール・インサイトはつい先週、1月の光熱費は現在の水準の83%増になるとの予想を示したばかりだった。

燃料費の高騰が始まったのは昨年。世界的な天然ガス供給の逼迫(ひっぱく)により、卸売価格が過去最高水準に押し上げられた。さらに2月後半にはロシアによるウクライナ侵攻が発生し、状況がいっそう悪化した。

英国の世帯光熱費の平均額は今年すでに54%上昇し、「生活費危機」に拍車をかけている。多くの英国民は生活費の高騰により、「暖房か食料か」の選択を迫られている状況だ。

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