ロシア、ウクライナに大規模ドローン攻撃 ポーランド軍機も緊急発進
(CNN) ウクライナ当局者は9日、ロシアによる侵攻が始まって以降で最大規模となるドローン(無人機)攻撃が行われたと明らかにした。ウクライナ情勢をめぐっては、米国のトランプ大統領がロシアのプーチン大統領について和平交渉で「たわごと」を言っているなどと批判し、ウクライナへの軍事支援を明らかにしていた。
ウクライナ当局によると、ロシアは侵攻開始以降で最大規模となる無人機741機による攻撃を仕掛けた。ウクライナ空軍によると、これまでの最多だった今月4日の539機を大きく上回ったが、被害は限定的だという。
ウクライナのゼレンスキー大統領は通信アプリ「テレグラム」で「これは示威的な攻撃であり、和平や停戦を目指す多くの努力が続いているが、ロシアがすべて拒んでいるときに起きた」と述べた。「我々のパートナーは、ロシアが新たな攻撃ではなく戦争終結を考えざるを得なくなるよう圧力をかける方法を知っている。平和を望むすべての国は行動しなければならない」
今回の攻撃は主に北西部の都市ルツクを狙って行われ、あまりの激しさにポーランド軍が自国領空で戦闘機を緊急発進させた。ここ数週間、ロシアはウクライナへの空爆を強めている。
ルツク市があるボリニ州の軍行政府トップはSNSに「昨夜、州が再び大規模攻撃を受けた。ほぼすべてがルツクに向かっていた」と投稿した。
ウクライナ空軍は無人機718機を撃墜したと発表した。
ロシア国防省によると、ウクライナも夜間にロシアへ無人機86機のドローンを発射したという。
今回のロシアの攻勢は、ホワイトハウスでの48時間にわたる劇的な動きの後に起きた。トランプ氏はプーチン氏が和平合意に本腰を入れていないことに怒りをあらわにし、ウクライナへのさらなる支援を約束した。
トランプ氏は7日、「ウクライナに武器を追加供与する。我々はそうせざるを得ない。ウクライナは自らを守らねばならない」と語り、「非常に激しく攻撃されている。主に防衛用だが、もっと武器を送る必要がある」と語った。
これに先立ち米国防総省が、防空ミサイルなどウクライナ向け兵器の一部供与を停止すると報じられたが、トランプ氏がその方針を覆した形だ。