人目を引くPRか、強さの誇示か ロシア中央銀行が利下げ

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モスクワにある外貨交換所の前に並ぶ人々/Konstantin Zavrazhin/Getty Images

モスクワにある外貨交換所の前に並ぶ人々/Konstantin Zavrazhin/Getty Images

ロンドン(CNN Business) ロシア中央銀行は26日、主要政策金利を14%から11%に引き下げた。石油と天然ガスの収入と政府支援によって通貨ルーブルの水準が戻り、ぐらつく経済に掛けていた圧力が一部和らぐ状況となっている。

中央銀行は利下げを決定した異例の会合で、さらなる利下げもありうると述べた。同国のウクライナ侵攻直後は、西側諸国からの制裁による金融危機発生の防止のため、利率を最高20%にまで引き上げていた。

中央銀行は声明で「ルーブルの為替相場の動きと、家計と企業のインフレ予測の顕著な減退がある中で、インフレ圧力が和らいでいる」と述べ、インフレ率が今月の約17.5%から今年中に5~7%に下がると予測した。

ルーブルは侵攻直後に1ドル135ルーブルの記録的ルーブル安となった。西側がロシアの外貨準備高6000億ドルの約半分を凍結し、多国籍企業数百社が同国から撤退。ロシアは重要な西側の技術・サービスを利用できなくなった。

だが、ロイター通信によれば、その後ルーブルが反発し、今年の世界の通貨で最良のパフォーマンスを示している。その要因は企業や投資家にルーブル買いを迫る資本規制と、世界のエネルギー価格の上昇で、今は1ドル62ルーブルの水準だ。

ロシア産エネルギーの輸入を抑制する西側の対応は遅く、上昇を続ける石油と天然ガスの価格がロシアの国庫を潤す形となっている。

欧州の経済調査会社キャピタル・エコノミクスの新興市場担当チーフエコノミスト、ウィリアム・ジャクソン氏は「こうした背景があり、さらなる資本規制の緩和と追加利下げはありそうだ」と語る。

ロシアのプーチン大統領はこの数年「要塞(ようさい)経済」の構築に努め、緊急時に使える準備金を積み増してきた。25日には年金と最低賃金の10%引き上げを発表し、インフレから国民の生活を守ろうとする姿勢を示している。

だが、ロシア経済が底堅いとは言いがたい。資本規制や緊急時の準備金は長くは持たず、新たな米国の制裁でロシアが100年あまりで初となる外貨建て債券のデフォルト(債務不履行)に間もなく陥る可能性がある。

資産運用会社ブルーベイ・アセット・マネジメントの新興市場担当シニアストラテジスト、ティモシー・アッシュ氏は、プーチン氏は今、こうした緊急の緩衝材を使わざるをえない状況で、利下げはPRキャンペーンの一環だとの見方を示す。

「彼らは今、西側との情報戦のさなかで、ルーブルもその一部だ」と同氏は語る。

今年は大きな景気後退が見込まれている。国際通貨基金(IMF)は対ロシア制裁が原因で、ロシアの国内総生産(GDP)が8.5%減になると予測する。

それでも、こうした制裁はロシアの化石燃料からの収益に大きな影響を与えるには至っていない。石油や石炭の販売先の確保はより困難な状況となっているが、最大の顧客である欧州連合(EU)は石油禁輸で合意できず、天然ガスの全面禁止は交渉のテーブルにも載っていない。

ロシア当局は今年の原油生産が約9.3%減少するとの予測を示していたが、国営RIAノーボスチ通信の26日の報道によると、同国のノバク副首相は減少幅の予測を約6.5%に引き下げた。

多くの西側の貿易企業や精製企業がロシア産石油や石炭を避けようとする中、インドや中国がその販売不振の一部を穴埋めする動きもある。

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