中国、去年の輸出額が過去最高に 通商戦争で主導権握る
香港(CNN Business) 新型コロナウイルスの感染拡大で各国が甚大な影響を受ける中、世界2位の経済大国である中国が貿易において他の主要国をしのぐ利益をあげていることが分かった。現状では米国との通商戦争でも優位に立っているとみられる。
14日に発表された税関当局の統計によると、中国は昨年12月に780億ドル(約8兆円)の貿易黒字を計上。通年での黒字額は過去最高の5350億ドルとなり、前年を27%上回った。輸出額はこれまでで最大を記録した。
マッコーリー・キャピタルの中国担当チーフエコノミスト、ラリー・フー氏は調査報告書の中で「やや予想外なことだが、パンデミック(世界的大流行)によって中国とそれ以外の国々との関係が深まった」と指摘した。
英オックスフォード・エコノミクスでアジア経済の分析を統括するルイス・クジス氏は、中国の貿易黒字の主因としてパンデミックへの対処に言及。危機を収束させたタイミングで防護具並びに在宅勤務の増加に伴う電子機器への需要が米国をはじめとする各国で拡大したことも輸出の追い風になったと指摘した。
新型コロナウイルスの感染拡大はちょうど1年余り前に、中国湖北省武漢から始まっている。
INGの大中華圏担当チーフエコノミスト、アイリス・パン氏によれば、中国の20年の対米貿易黒字は前年比7%増の3170億ドルと、18年に次ぐ史上2番目の水準だった。
オックスフォード・エコノミクス のクジス氏は、「20年に米国による中国からの輸入が急増したことから判断して、トランプ大統領の対中通商戦争は失敗だったと言ってよさそうだ 」と述べた。