米国の新型コロナ死者数が最悪に 夏には「劇的改善」の予測も

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米国の感染状況は、ワクチン接種の拡大などで夏にも「劇的に改善」する可能性がある/Patrick Fallon/AFP/Getty Images

米国の感染状況は、ワクチン接種の拡大などで夏にも「劇的に改善」する可能性がある/Patrick Fallon/AFP/Getty Images

(CNN) 米ジョンズ・ホプキンス大学のデータによると、12日の米国内の新型コロナウイルスによる死者数は4327人を記録した。1日の死者数としては過去最悪。

日別の新規感染者数や死者数のワースト5はすべて今年に入ってから記録されている。

米国では過去1週間、平均で1日3300人が死亡。これは11月中旬から217%の増加となる。

1月1~13日の新規感染者数は300万人超で、13日時点の累計感染者数は2300万人に及ぶ。

COVIDトラッキング・プロジェクトによると、入院数は13万1300人あまりで、一部地域では病院の患者の受け入れ態勢が限界に近づいている。

食品医薬品局(FDA)ワクチン・関連生物製剤諮問委員会のポール・オフィット委員は、こうした「ひどい」数値は冬中続くものの、その後は状況が改善すると予想。ワクチン接種の広がりや暖かい気候、新政権の始動、集団免疫により夏には「劇的に改善する」可能性もあると語る。

現在接種が開始された2つのワクチンに加え、米ジョンソン・エンド・ジョンソンや英アストラゼネカのワクチンも治験が進む。オフィット氏は、もし人口の約55~60%がワクチンを接種すれば、「6月までにはこのウイルスの流行を止めることができると強く思う」と語る。そのためには米国内で1日100万~150万回の接種が行われる必要があるという。

アザー厚生長官は12日、連邦政府が備蓄していた2回目の接種用のワクチンを放出すると発表。各州に対し65歳以上の全員と65歳以下で併存疾患のある人への接種を開始するように指示したと述べた。2回目の接種用のワクチンは入手可能とも言い添えた。

疾病対策センター(CDC)のデータによると、これまで2760万回分を超えるワクチンが供給されたが、実際に接種を受けた人数は930万人あまり。一部の専門家が予測していた数値からは程遠い。

国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、ワクチン接種のスピードを遅らせているのは接種の優先順位の指針を厳格に守ろうとしていることにあると指摘。

CDCの指針は無視すべきではないものの、「準備が出来たら次のレベルへと進むべきだ。人々に接種可能なのに冷凍庫や冷蔵庫にワクチンが眠っている状況は避けるべきだ」と語った。

全米の薬局の業界団体幹部は、ワクチンの供給体制が整えば、全米の薬剤師が1カ月に1億回のワクチン接種を実施できると語る。

アザー長官によると、今後は各州の接種の進捗(しんちょく)度合いや65歳以上の人口に応じてワクチンが配布される。

現時点で配布されたワクチンの50%超の接種を終えた州はコネティカット、モンタナ、ノースダコタ、サウスダコタ、テネシー、ウェストバージニアの6州。

一方で同25%未満の接種にとどまるのはアラバマ、アーカンソー、カリフォルニア、ジョージア、ハワイ、アイダホ、バージニアの7州となっている。

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