英HSBCに各方面から批判、香港国家安全法の導入支持で

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国家安全法の香港導入に支持を表明したHSBCが各方面からの批判にさらされている/Issac Lawrence/AFP/Getty Images

国家安全法の香港導入に支持を表明したHSBCが各方面からの批判にさらされている/Issac Lawrence/AFP/Getty Images

香港(CNN Business) 英金融大手HSBCが中国政府による香港への国家安全法導入に支持を表明したことに対し、各方面から批判が集中している。欧米の当局者や投資家に加え、中国紙からも「依然態度が曖昧」との批判を受けた。

ポンペオ米国務長官は9日、HSBCが同法を支持したことを批判。企業が「叩頭(こうとう:膝をつき、額を地面に付けるおじぎ。卑屈な態度を取ることも意味する)」したところで、中国政府内で尊敬を得る結果にはならないと指摘した。国家安全法をめぐっては、1997年の中国返還時に約束された香港の自治を後退させることへの懸念が出ている。

HSBCは先週、中国のソーシャルメディアに、アジア太平洋部門の王冬勝(ピーター・ウォン)最高経営責任者(CEO)が同法を支持する文書に署名する写真を投稿した。これに対し英議会でも、下院外交委員会のトム・トゥゲンハート委員長らからHSBCの判断を疑問視する声が出ている。

HSBCの株主、アビバ・インベスターズのデービッド・カミング株式最高投資責任者(CIO)も10日の声明で、HSBCや同じ英系銀行のスタンダードチャータードが同法の実際の運用方法を知らないまま支持を決めたことに「不安を感じる」と述べた。

一方、中国国営の環球時報は9日、王氏の写真を公開した後もHSBCが「香港の国家安全法に対して依然曖昧な態度」を抱いていると批判。さらにHSBCが中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟(モンワンチョウ)最高財務責任者(CFO)に対する米国の訴追を助けたとする国内の批判にも言及した。

HSBCは150年以上前、アジアと欧州の間の貿易金融を扱う目的で、香港上海銀行として創設された。現在でもこの地域で大規模な事業展開を行っている。

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