独フォルクスワーゲン、CEOが引責辞任 排ガス不正問題
ロンドン(CNNMoney) ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が排ガス規制を逃れるために不正を行っていた問題で、最高経営責任者(CEO)のマーティン・ビンターコルン氏(68)が23日、責任を取って辞任した。
ビンターコルン氏は臨時取締役会後、「私自身に過ちがあったとは認識していない」としながらも、会社のために辞任を決めたと説明した。
ビンターコルン氏は8年前にCEOに就任。トヨタ自動車を抜いて首位に立つという目標を、3年前倒しで今年達成したばかりだった。
この問題で米規制当局は18日、VWがディーゼル車50万台あまりのプログラミングを意図的に操作して、検査時の有害物質排出量が道路走行時よりも少なくなるよう手を加えていたことが分かったと発表。VWは22日、世界で1100万台のディーゼル車に排出量の重大な食い違いがあったと明らかにした。
ビンターコルン氏は、これほどの規模の不正が行われていたことに大変な衝撃を受けたと述べ、同社が「新しいスタート」を切るために責任を取ると強調している。
VWの株価は急落し、投資家には大きな損失が出ている。ビンターコルン氏は2度にわたって謝罪、同社はリコールなどの経費として65億ユーロ(約8700億円)を計上した。
しかし米国で民事責任や刑事責任を問われ、さらに巨額の支出を迫られる可能性もある。米国以外の国でも大規模リコールに発展するかどうかは現時点で不透明だ。
新CEOは25日にも任命される見通し。社内調査を統括するための特別委員会も設置する。