米3月雇用統計、民間の雇用は金融危機以前の水準まで回復

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ニューヨーク(CNNMoney) 米労働省労働統計局(BLS)は4日、3月の雇用統計を発表した。非農業部門雇用者数は前月から19万2000人増加し、ついに2008年の金融危機で失われた雇用をすべて取り戻した。また失業率は前月から横ばいの6.7%だった。

今回の雇用増はすべて民間部門からのもので、政府部門の雇用は横ばいだった。民間部門だけを見れば、米労働市場は金融危機以前のピークの状態まで回復したことになるが、これは労働者や賃金にとって転機といえるのか。

ここ数年は大量の潜在的労働者がいたため、雇用者が従業員を引き止めるために賃金を上げる必要はほとんどなかった。しかし米投資銀行ジェフリーズ・アンド・カンパニーのエコノミスト、トム・シモンズ氏は、労働市場はその状況が変わる段階に近付きつつあると考えている。BLSによると、3月の賃金は前月から1セント下がったが、それでも前年同期に比べると49セント高いという。

では、なぜ回復を実感できないのか。

まず、雇用がここまで回復するのに4年かかった。これは労働省が統計を取り始めた1939年以来、最も遅い回復だ。さらに今回の民間部門の統計では人口の増加という重要な要素が考慮されていない。

そのため米経済政策研究所のハイディ・シェルホルツ氏は、「(民間部門の雇用者数は)経済的には無意味なベンチマーク」だとし、「労働市場が(金融危機前と)同じ状態を回復するには、さらに大幅な雇用増が必要」と指摘する。

シェルホルツ氏の計算では、米労働市場が、失業率が5.5%を下回っていた不況前の健全な状態を回復するには、少なくとも500万人の雇用が必要だという。

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