仏高速鉄道、未来見据える次世代TGVがお披露目

仏高速鉄道の次世代車両「TGV M」が公開された/Xavier Leoty/AFP/Getty Images

2022.09.17 Sat posted at 18:35 JST

(CNN) フランス国鉄(SNCF)と鉄道車両メーカーのアルストムはこのほど、次世代の2階建て高速列車「TGV M」の完成品を初めてお披露目した。より長く、空気力学に即したノーズが特徴の車両は、フランスの地方を駆け抜けるのにうってつけだ。

アルストムは新車両を「未来のTGV」と銘打った。TGVは「高速列車」を意味するフランス語の頭文字をとったもの。

実際の路線に導入されるのは2024年からの予定だ。

TGVは世界で最も有名な高速鉄道のブランドの一つ。欧州を旅行する際の交通手段として1980年代初めからおなじみの存在だ。

2018年、TGVを運営するSNCFはTGV Mの車両100編成を27億ユーロ(現在のレートで約3900億円)で発注した。22年8月には追加で15編成が発注された。

大半はフランス国内で運行予定だが、アルストムによると15編成は国際鉄道として運行される見通しだという。

「未来のTGV」と銘打った車両はスピードよりも輸送力と省エネの向上を目指した

TGV Mの最高速度は従来の車両と同じ時速350キロ。アルストムの広報担当者はCNN Travelの取材に答え、スピードではなくより多くの乗客を乗せ、一段の省エネを実現することを目標にしたと説明した。

TGV Mの1編成当たりの座席数は最大740席と現行車両の634席から増えている。さらに「前例のないモジュール方式」(アルストム)の採用により、2等車から1等車、またはその逆へのレイアウト変更も容易に行えるという。

アルストムによれば、新車両は現行のTGVと比較してエネルギー効率やカーボンフットプリント(原材料調達から製造・使用・リサイクル・廃棄までで排出される温室効果ガスの排出量を二酸化炭素排出量に換算した指標)が改善している。車両の構成部品の97%はリサイクルが可能だという。

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