世界で最も素晴らしい鉄道の旅10選

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鉄道の旅ランキングではトップの常連。ウェストハイランド鉄道は、スコットランドの絶景を詰め込んだ「グレイテスト・ヒッツ(ベストアルバム)」だ/Lukas/Adobe Stock
写真特集:全ての鉄道ファンに贈る、至高の路線10選

鉄道の旅ランキングではトップの常連。ウェストハイランド鉄道は、スコットランドの絶景を詰め込んだ「グレイテスト・ヒッツ(ベストアルバム)」だ/Lukas/Adobe Stock

(CNN) 列車の旅は、毎日の通勤のわずらわしさから解放されるだけでなく、初めて訪れた国を観光したり、その国をよく知るための最も快適な方法だ。

今回は、世界の素晴らしい鉄道の旅10選をご紹介する。全ての鉄道冒険家たちはこれらの旅を「やるべきこと」リストに書き込んでおき、各国の国境が再び完全に開いたら、一つ一つ消していってほしい。

ウェストハイランド鉄道:スコットランド

ウェストハイランド鉄道/Chris/Adobe Stock
ウェストハイランド鉄道/Chris/Adobe Stock

車窓からの眺めが素晴らしい鉄道の旅ランキングではトップの常連。ウェストハイランド鉄道は、スコットランドで見られる最高の風景を詰め込んだ「グレイテスト・ヒッツ(ベストアルバム)」にほかならない。

スコットランド最大の都市グラスゴーから英国最高峰のベン・ネビス山のふもとにあるフォート・ウィリアムまでの約193キロを結ぶこの鉄道からは、常に変化する湖や深い峡谷のパノラマ、荒涼とした原野、そして陰鬱(いんうつ)な山々が望める。

この鉄道は、フォート・ウィリアムからさらに66キロ先にある西海岸のマレイグ港まで続いており、途中スコットランドで最も美しい湖の一部や、映画「ハリー・ポッター」シリーズにも登場した曲線が美しいグレンフィナン高架橋などが見られる。

トランスイラン鉄道:イラン

トランスイラン鉄道/Thomas Schulze/picture-alliance/dpa/AP
トランスイラン鉄道/Thomas Schulze/picture-alliance/dpa/AP

ペルシャ湾とカスピ海を結ぶこの鉄道は、11年に及ぶ困難な建設を経て、1938年に開業し、2021年7月にユネスコの世界遺産に登録された。今日、イラン国外ではあまり有名ではないが、20世紀最大の技術的偉業の一つと言っても過言ではない。

ペルシャ湾岸の港町バンダレ・エマーム・ホメイニーとカスピ海沿岸のバンダル・トルカマンの間の1394キロを結び、途中、アフワーズ、ゴム、テヘランを通過する。

この鉄道は、テヘランの両側にある標高2130メートルの山頂に登る途中に224本ものトンネルと約400本の橋があるのが特徴だ。

この2つの厄介な山脈を乗り越えるには、長い急斜面を作るだけでなく、登って行くためのらせん状のトンネルの建設や、猛烈に暑く、険しい地域にある孤立した谷を乗り越えるための橋の建設といった巧妙な土木工事が必要だった。

その結果、世界で最も記憶に残る鉄道の旅の一つとなったが、これまでこの旅を楽しんだイラン国外からの旅行者はほとんどいないのは残念だ。

ザ・ガン:オーストラリア

ザ・ガン/bennymarty/Adobe Stock
ザ・ガン/bennymarty/Adobe Stock

世界最高の鉄道の旅の一つとして広く認知されている「ザ・ガン」は、オーストラリア大陸の縦断列車で、毎週運行している。南部アデレードからアリススプリングスを経由し、ノーザンテリトリーのダーウィンまで走り、運行距離は2979キロに及ぶ。

旅の所要時間は、アウトバック(オーストラリア内陸部)を体験できるオフトレインツアー(列車の停車時に行われるツアー)の時間も含め、53時間以上を要する。

「ザ・ガン」という名称の由来は諸説あるが、約1世紀前に付けられた前の愛称「ジ・アフガン・エクスプレス」を短縮したものだ。この愛称は19世紀後半、オーストラリアの内陸部の開拓を支援するために英国人が連れてきたアフガニスタン人のラクダの乗り手たちに由来する。

青蔵鉄道:中国

青蔵鉄道/Sino Images/500px Asia/Getty Images
青蔵鉄道/Sino Images/500px Asia/Getty Images

何世紀にもわたり、「世界の屋根」と呼ばれるチベット高原を訪れるのは、頑健な旅行者や探検家に限られていた。しかし、2006年に青蔵(せいぞう)鉄道が開通したことにより、チベット高原と中国の鉄道網とが永続的につながった。

「天国行きの鉄道」と呼ばれることもある青蔵鉄道は、中国中部の西寧からチベットのラサまでの1955キロを結ぶ。最高地点は海抜5068メートルのタングラ峠で、路線のほぼ半分は海抜約4000メートル以上の高さに位置する。

地震が多く、氷点下の気温、低気圧、永久凍土などの悪条件がそろう高地での建設は多くの困難を伴い、建設費は42億ドル(現在のレートで約5330億円)に達した。

また、この路線のために設計された加圧型車両は、世界で最も高い場所を走る列車内で低酸素レベルによる高山病の影響を最小限に抑えるのに役立つ。

ダージリン・ヒマラヤ鉄道:インド

ダージリン・ヒマラヤ鉄道/Tuul & Bruno Morandi/Stockbyte Unreleased/Getty Images
ダージリン・ヒマラヤ鉄道/Tuul & Bruno Morandi/Stockbyte Unreleased/Getty Images

インドが大英帝国の植民地だった時代の遺物であるダージリン・ヒマラヤ鉄道は、「ザ・トイ・トレイン(おもちゃの列車)」の愛称で知られ、現在も世界最高の鉄道の旅の一つだ。この列車は、ニュー・ジャルパイグリからダージリンまでの約89キロを走る間に約2134メートル上昇する。

この鉄道は、イギリス人入植者たちが猛暑のカルカッタ(現コルカタ)から涼しい山地気候のダージリンに行きやすくするために、1879年から81年にかけて建設された。1998年にユネスコの世界遺産に登録され、現在も1日数本が運行している。

ベルゲン鉄道:ノルウェー

ベルゲン鉄道/MariusLtu/iStockphoto/Getty Images
ベルゲン鉄道/MariusLtu/iStockphoto/Getty Images

スカンジナビアは選択に困るほど眺めの美しい鉄道の旅が多いが、ノルウェーの二大都市を結ぶ総延長距離496キロのこの鉄道は、ほぼ間違いなく、その中でも最高だろう。

1909年に完成したこのベルゲン鉄道は、ノルウェーの首都オスロと西岸の都市ベルゲンを結び、欧州最大の高山高原であるハルダンゲル高原を横断する。

フィンセにある同鉄道の最高地点付近は極度の高地気候のため、ロアール・アムンセンやアーネスト・シャクルトンといった極地探検家たちが、南極探検への準備に利用した。またこの地域は、映画「スター・ウォーズ」の続編「帝国の逆襲」の有名な雪の中の戦闘シーンの背景にもなった。

またこの鉄道では、高地の荒涼とした美しさに加え、透き通った湖、サーモンであふれる川、そびえ立つ山々、雄大なハルダンゲル氷河、さらに目的地であるベルゲンに近付くと見えるフィヨルドなど、記憶に残る見事な景色が楽しめる。

ベルニナ急行:スイス

ベルニナ急行/Simone Polattini/Adobe Stock
ベルニナ急行/Simone Polattini/Adobe Stock

ベルニナ峠は、アルプス山脈で最も標高の高い踏切だ。北欧と南欧の間の懸け橋でもあり、異なる文化や言語の伝統をつないでいる。また、この峠を越えるとスイス・グラウビュンデン州の高い山々や氷河から、イタリアのヴァルテッリーナのヤシの木やブドウ園へと景色が変わる。

真っ赤な車両のベルニナ急行は、高級高山リゾートのサンモリッツとイタリアのティラーノを結び、海抜2253メートルでベルニナ峠を越える。巨大な窓があるパノラマ列車は、1日に数本運行している。

旅の見所としては、ブルシオの見事ならせん状の高架橋、路線の最高地点近くのビアンコ湖、さらに終点近くのティラーノの街並みが挙げられる。

ザ・カナディアン:カナダ

ザ・カナディアン/I Viewfinder/Adobe Stock
ザ・カナディアン/I Viewfinder/Adobe Stock

カナダで最後に残った大陸横断鉄道「ザ・カナディアン」は、国営企業のVIA鉄道が運営している。

トロントからバンクーバーまでの4463キロを4日間かけて走り、途中、森林や湖、果てしなく見える大草原を通過する。しかし、この列車で西に向かっている場合、一番の見どころは旅の最後の楽しみとしてとってある。それは、ロッキー山脈を越え、太平洋岸の目的地に到達するまでの区間だ。

今はインスタントコミュニケーションや空の旅の時代だが、このザ・カナディアンに乗ると、長距離の旅がより快適で、さまざまな人々と体験を共有できた時代に戻れる。

小さな黄色い列車:フランス

小さな黄色い列車/Leonid Andronov/iStockphoto/Getty Images
小さな黄色い列車/Leonid Andronov/iStockphoto/Getty Images

フランスとスペインの国境沿いに連なるピレネー山脈の中を走るこの列車は、正式にはこの列車が走る地域にちなんでセルダーニュ線と呼ばれているが、「小さな黄色い列車」や、20世紀初頭に使用された初期の電車にちなんだ「ピレネーの地下鉄」という愛称の方が一般によく知られている。

総延長距離63キロのルートで最も素晴らしいのは、ペルピニャンの西約50キロにある見事な要塞(ようさい)都市で、ユネスコの世界遺産にも登録されているヴィルフランシュ・ド・コンフランからフォンロムーオデイヨヴィアまでの登りだ。

1903年から09年にかけて建設されたこの路線は、土木工学の見事な偉業であり、その目玉はフランスで唯一の鉄道つり橋であるジスカール橋だ。

夏には、360度の絶景が楽しめるオープントップ(屋根のない)車両が使用される。またパリの地下鉄で使用されていた初期の列車10本のうち7本は今も現役だ。

トランツアルパイン:ニュージーランド

トランツアルパイン/Sebastian Nebel/EyeEm/Getty Images
トランツアルパイン/Sebastian Nebel/EyeEm/Getty Images

国際都市クライストチャーチと南島のグレイマウスを結ぶトランツアルパインは、224キロの距離を4時間半かけて走る。

途中、カンタベリー平野から南アルプスの雪を頂いた山々、人里離れた高山の草原、南島西岸の湖、小川、森林など、多様な風景の中を縫うように進む。

多くの旅行者にとって最大の目玉は「オープンエアの車両」だ。この車両は両側面のガラスがないため、新鮮な山の空気に直接触れたり、ニュージーランドの見事な風景を写真に収めることも可能だ。

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