カイロ(CNN) エジプトで26日、列車同士が衝突する事故が発生し、同国政府によると少なくとも32人が死亡、165人が負傷した。
事故はエジプト南部ソハグ県のタハタで発生。現地時間の午前11時42分、アスワン発カイロ行きの列車が、ルクソール発アレクサンドリア行きの列車の後部に衝突した。衝突された列車は緊急ブレーキが作動し、線路上で停車していた。
列車同士の衝突により数十人の死者が出た/AFP/Getty ImagesDiersing
保健省によると、現場には首都カイロから救急車72台と増援の医療班が派遣された。
またザイード保健相は記者会見で、負傷者の治療のため、さまざまな専門分野の医療従事者52人を乗せた航空機2機がカイロから派遣されたことを明らかにした。
現場からの画像には、ねじれた列車の残骸の周りに人々が集まる様子が写っている。
シーシ大統領は「ソハグの事故を起こしたのが誰であれ、抑止のための罰を受けることになる」と言及。マドブリ首相も「ミスや過失は許されない。今回の事故を起こした者は責任を問われることになる」と述べた。
マドブリ首相はまた、エジプトの鉄道施設は「数十年にわたって放置され、開発や保守整備も行われていない。こうした状況が危険につながった」とし、「制御系は手動運用されており、列車は寿命を過ぎている」と指摘した。
老朽化したエジプトの鉄道網ではこの20年、毎年のように死者を出す事故が発生している。当局の統計によると、2018年には2044件、17年には1793件の列車事故が起きたという。
史上最も被害が大きかったのは02年の事故で、カイロからルクソールに向かう列車で火災が起き、360人以上が亡くなった。
エジプトで列車同士が衝突、32人死亡