東京に「世界一高い木造ビル」の構想 41年完成へ

住友林業が2041年の完成を目指し、高さ350メートルの木造ビルを建設する

2018.02.20 Tue posted at 20:10 JST

(CNN) 世界各地の都市で木造高層ビルの建設が相次ぐなか、東京に世界一高い木造ビルを建てる構想がこのほど発表された。

住友林業が創業350年を迎える2041年の完成を目指し、高さ350メートル、70階建ての木造ビル「W350」を建設する。総工費は6000億円。木材9割に鉄骨の補強部材などを組み合わせ、地震に強い構造を採用する。

建物の外側を緑のバルコニーで取り囲むデザインも特徴だ。高層ビルに木材を使うことによって「街を森にかえる環境木化都市」の実現をめざすとしている。

日本では林業の衰退で放置された森林を再生させようと、政府が木材の活用推進に力を入れてきた。2010年には公共建築物の木造化を促す法律が成立。3階建て以下の公共の建物は原則として全て木造とする方針が打ち出された。

日本以外の国でも10年ほど前から、木造高層ビルの建設や構想が相次いでいる。

現時点で世界一高い木造ビルは、カナダのバンクーバーに昨年完成したブリティッシュコロンビア大学の学生寮。18階建てで、高さは約50メートルだ。

住友林業が構想する木造高層ビル「W350」内部のイメージ図

昨年までは、14年に建設されたノルウェー南西部ベルゲンのビルが世界一だった。その前はオーストラリアのメルボルンで12年に完成した10階建て、高さ32メートルの集合住宅が世界記録となっていた。

英ロンドンでは地元の建築事務所、PLPアーキテクチャーとケンブリッジ大学建築学部が共同で、高さ305メートル、80階建てという「オークウッド・タワー」の建設を計画している。建築許可が下りれば、ロンドン初の木造の高層建築物となる。

木造ビルが増えている背景には、板の繊維方向を直角に重ねて張り合わせた「直交集成材」など、強度の高い木材の登場がある。アジアで伝統的に使われてきた竹も、通常の樹木の5倍という成長の早さが注目されている。今後はさらに、遺伝子組み換え技術を使った新たな木材の開発も進みそうだ。

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