北朝鮮のミサイル、直接の脅威ない場合も迎撃検討 米当局者

北朝鮮の弾道ミサイルについて、米国が改めて対応を協議

2017.09.20 Wed posted at 10:22 JST

(CNN) 北朝鮮問題を巡って緊迫した状況が続く中、たとえ北朝鮮の弾道ミサイルが米国や同盟国の直接的な脅威とならない場合でも、米国が撃墜を検討していることが20日までに分かった。CNNの取材で明らかになった。

米国防総省のマティス長官は報道陣に対して18日、北朝鮮が「ある種の一線を越えずにどこまで行けるかの限界に挑戦するような挑発を故意に行っている」と分析した。

トランプ政権の計画立案に詳しい当局者は北朝鮮のミサイル開発の進展について、たとえ米国や同盟国への落下が予想されない場合でも、国防総省が迎撃を勧告するようなレベルの脅威に達しているのかどうかを見極める必要があると指摘した。

米情報機関では、北朝鮮が中距離弾道ミサイル「火星12」の実験成功を受けて、同ミサイルを米国に対する戦略的抑止力の一環と見なすようになったと判断しているという。

火星12の成功を受けて北朝鮮は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」の再度の実験を行って、性能を強化できるかどうか見極めようとする公算が大きいと米政府は見ている。

米当局者は以前から、北朝鮮に対してあらゆる軍事的選択肢を維持すると述べていたが、ミサイル迎撃については主に米国や同盟国が直接的に脅かされる場合の作戦として検討されてきた。特に米領グアムを狙うミサイルは、重大な懸念となっていた。

直接的な脅威にはならないミサイルを迎撃する案は以前から浮上していた。しかし米国防幹部は、日本の上空を通過するミサイルを北朝鮮が2回続けて発射したことで、直接的な脅威をもたらさないミサイルの迎撃を検討しなければならない可能性が極めて現実的になったと指摘する。

マティス米国防長官が韓国の防衛を念頭に置いた北朝鮮への軍事的選択肢について言及

マティス国防長官は28日、韓国に言及し、北朝鮮による反撃の危険にさらして同国の何万人もの民間人を死亡させるような選択肢は米軍にはないと強調。韓国を「重大な危険」にさらさないような軍事的選択肢があるのかという質問に対しては、「確かにある。だが詳細には踏み込まない」と語るにとどめた。

マティス国防長官が言及した選択肢が、通常兵器を使った攻撃を意味するのかどうかは不明だ。

国防総省は密かにサイバー攻撃を仕掛ける可能性についても検討している。ほかにも通常兵器を使わない選択肢として、上空または陸上での武力誇示、戦艦や兵士の増派による軍事プレゼンスの増強などが考えられる。

マティス長官は、戦術核兵器を韓国に配備する選択肢についても協議したことを確認した。しかしこの案は先週の時点で韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が退けている。

マティス長官は、「北朝鮮の指導者による誤算の可能性は常にあると考えている」とも発言した。

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