自転車で走り出したくなる! 世界のサイクリングコース9選

思わず走り出したくなるサイクリングコースを紹介

2015.11.22 Sun posted at 18:10 JST

(CNN) 元プロサイクリストで、「The Cyclist‘s Bucket List(仮題:サイクリストが生きているうちにやりたいこと)」の著者イアン・ダイル氏は、9カ月かけて世界中の自転車レースやサイクリングコースを1冊のガイドにまとめた。このガイドには、世界6大陸で体験できる75の代表的なサイクリング体験について詳しく書かれている。

今回はその中から、思わず自転車に乗って走り出したくなる世界の自転車レース・サイクリングコースを9つ紹介する。

トランスアメリカ・トレイル(米国)

オレゴン州アストリアからバージニア州ヨークタウンのチェサピーク湾まで3カ月間かけて走行するこのトレイルは、国立・州立公園、地元料理、裏道など、サイクリングを楽しむための要素があふれている。途中、多くの休憩所や飲食店があり、サイクリストたちを温かく迎えてくれる。

道中の見所としては、オレゴン州マッケンジー・パスの大溶岩原や、ロッキー・アパラチア山脈、美しい農場などが挙げられる。

レー・マナリ・ハイウエーは、ヒマラヤ山脈の壮大な景色が堪能できる

レー・マナリ・ハイウエー(インド)

インド北部レーとマナリを結ぶ総距離約480キロのこのハイウエーは、世界で最も高い位置にある道路の1つで、最高地点は標高約5200メートルに及ぶ。

旅の途中では、ヒマラヤ山脈の先端からその下を流れるインダス川までの壮大な景色をはじめ、4階建てのハディンバ・デヴィ寺院など見事な修道院や寺院も見られる。

サイクリストたちは、インダス川に沿って南下し、マナリに向かう。そして、モア平野を通過し、塩水湖のツォ・カール湖の近くを通る。湖の周りや湿地帯には、チベットガゼルやキツネ、野生のロバが生息する。また、変わった形の岩石層も見られる。

このハイウエーは、積雪が少なく除雪が可能な6月から10月まで開放される。この道は自動車も利用するが、めったに通らない。

デュポン州立森林公園(米ノースカロライナ州)

マウンテンバイクでアパラチア山脈の一部であるブルーリッジ山脈の奥深くに入ると、映画「ラスト・オブ・モヒカン」や「ハンガー・ゲーム」の舞台になった息を飲むような美しい滝にたどり着く。

公園内には約100本ものトレイルがあり、トレイルの総距離は約130キロに及ぶ。各トレイルの周りには岩が多く、マウンテンバイクが楽しめる名所の1つとして知られる。約150メートルの花こう岩の岩肌を登るビッグ・ロック・トレイルや、急降下した後、リトルリバーに沿って走るセダー・ロック・トレイルなどがある。

ツール・ド・アフリカではナイル川の川岸近辺を走ったり、象などの野生動物が見られる

ツール・ド・アフリカ(アフリカ)

このツアーは、1月中旬から5月中旬まで4カ月かけ、エジプトから南アフリカに至るアフリカ10カ国を縦断する。総距離は約1万2000キロで、完走にかかる総費用は1万6000ドル(約200万円)に達するため、一部区間のみの参加も可能。

参加者は自転車でナイル川の源流沿いを走り、砂漠を通過し、赤道を超えるが、そんなのは序の口。タンザニアのキリマンジャロや、エチオピアの壮大な景色、ザンビアのビクトリアの滝など、アフリカで最も有名な自然の名所の一部を見物できる。

また道中、象、シマウマ、キリンなどの野生動物に遭遇することもあるという。

タスマニア西部(オーストラリア)

タスマニア西部は、全く人のいない遠隔地や手付かずの自然が残る場所に行きたい人に最適だ。

途中、160万ヘクタール以上の広さを誇り、ユネスコの世界遺産にも登録されているタスマニアの原生地域を通過する。この一帯は岩の多い土地で、たらい状の岩、古代の洞窟、さらに上空の青空が映る広大な氷河湖が見られる。

ダイル氏のおすすめは、まずクイーンズタウンからライエル・ハイウエーでフランクリンーゴードン・ワイルド・リバーズ国立公園近くのストラーンに行き、そこから北上して、ジーハンやタスマニア島で最も高いマーチソン山に向かう。そして最後は再びクイーンズタウンに戻ってくるという総距離約240キロのコースだ。

ニューヨーク市は最近、サイクリストのためのさまざまな改善が施され、自転車で探索しやすい町になっている

ニューヨーク市とその周辺(米ニューヨーク)

ニューヨーク市と聞くと、大半の人は迷路のような道路、大渋滞、やかましいクラクションの音、イライラしたドライバーたちを思い浮かべるが、最近はさまざまな改善が見られ、サイクリストに優しい町になっている。

市内には総距離約480キロの自転車専用道路が設置され、自転車専用の信号や自転車共有プログラム「Citi Bike」など、サイクリストのための設備やサービスもある。また自転車のレンタルサービスもあり、ガイド付きの自転車ツアーも充実している。

バスク州(スペイン)

バスク州には、スペインで最も反抗的な人々の一部が住んでいる。独特の言語と豊かな料理の伝統を持つ先住民の住むバスク州は、1970年代末に自治州となった。

バスク州を訪れるサイクリストたちの楽しみは、自転車での山登りよりも地元のレストランやバーだろう。

スペインのおつまみ「タパス」の1つ「ピンチョス」や、地元の微発泡白ワイン「チャコリ」が味わえる人里離れた店に行くには、自転車で曲がりくねった道を走る必要がある。ハイスキベル山の頂上やプエルタ・デ・ウルキオラと呼ばれる霧に包まれた山道はサイクリストたちの人気スポットだ。

「死の道」と呼ばれるこの道は、雪に覆われた山頂から緑豊かな熱帯雨林まで急降下する

死の道(ボリビア)

命知らずのマウンテンバイカーたちは、約3600メートルも下る「死の道」と呼ばれるハラハラするような道をマウンテンバイクで急降下する。

この道の名前は決して冗談ではない。道路沿いにある記念碑は、ドライバーやサイクリストたちがアンデス山脈の崖から落下した場所を示している。

このコースは、一般に雪をかぶった山頂に囲まれたクンブレ峠から出発する。それぞれの曲がり角では、思わず息を飲むような断崖が待ち受ける。中には落差900メートル以上の崖もある。コースの最終地点は、コロイコとラ・センダの2通りがある。

リードビル・トレイル100(米コロラド州)

ロッキー山脈内の標高約3000メートルに位置するリードビルは、かつて鉱業の町として栄えた。

リードビル・トレイル100は、1983年にウルトラマラソンレースとして始まったが、その11年後にマウンテンバイク愛好家向けに、そのエリアで最も過酷な100マイル(約160キロ)を自転車で走るリードビル・トレイル100MTBが追加された。

レースには参加条件があり、抽選に当たるか、予選を勝ち抜くか、特定の自転車キャンプに参加するか、慈善団体の後援を受ける必要がある。

このレースはマウンテンバイク界では有名で、完走すれば大きな名誉となる。

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