参院選で参政党が躍進、ネットから始まった右派ポピュリズム政党がどのようにして大勝したか
その結果、日本に居住する外国人の人口は過去10年で223万人から377万人へと急増した。それでも日本の人口1億2000万人の3%に過ぎない。
訪日観光客も過去最多を更新し続けている。だが、観光客であふれる町では問題も生じており、行儀の悪い観光客もいる。温泉地などでは水資源の枯渇といった問題も生じている。
こうした中、政府も対策チームを設置するなど、外国人受け入れに対する見直し機運が高まりつつある。参政党は「日本人ファースト」のスローガンで、賃金の停滞や物価高、生活費の高騰といった問題とともに、こうした社会の不満を取り上げた。
参政党は、自治体ごとの外国人居住者数に上限を設けることや、帰化要件の厳格化などを政策に掲げている。そのほか、より強力な安全保障措置やスパイ防止法、さらなる減税、ワクチンに依存しない医療制度の導入も推進している。
また、核廃絶を長期的な目標とする一方で、日本は核保有国に「包囲」されており「抑止力」が必要だとして防衛力の強化を訴えている。
トランプ大統領が掲げた「MAGA(米国再び偉大に)」運動や、ドイツの右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」、英国の保守系新党「リフォームUK」との類似性を指摘する声もある。
米国の非営利団体「ジャパン・ソサエティ」のジョシュア・ウォーカー氏はロイター通信に対し、参政党がポピュリスト的な反外国感情のために特に米国で話題になっていると語った。「それは何よりも、自民党と石破首相の弱点だ」