メキシコに大型ハリケーン、7月前の上陸は観測史上初
(CNN) メキシコ南部のオアハカ州に現地時間の19日午前、ハリケーン「エリック」が上陸した。沿岸部は暴風や大雨に見舞われている。
エリックの上陸時の勢力は5段階で上から3番目のカテゴリー3。米海洋大気局(NOAA)の国家ハリケーンセンターによると、現地時間の19日午前6時過ぎ、メキシコ南部のプンタマルドナドから約32キロ東部に上陸した。上陸地点周辺では風速約56メートルを観測した。
上陸地点から約160キロ西に位置するアカプルコは、2023年のハリケーン「オーティス」で大きな被害が出ていた。
7月に入る前にカテゴリー3以上の大型ハリケーンがメキシコに上陸したのは、観測史上初めてだった。
エリックは17日夜から18日夜にかけて急激に勢力を強め、わずか24時間で熱帯低気圧からカテゴリー4のハリケーンへと発達していた。
上陸後は勢力が弱まってカテゴリー1になり、20日未明までには消滅する見通し。それでも短時間に大雨が予想され、危険な洪水を引き起こす恐れがある。
東太平洋のハリケーンシーズンは5月中旬に始まって活発化。命名された熱帯低気圧はエリックが5番目、ハリケーンになったのは2番目だった。NOAAによると、この地域で2番目のハリケーンが発生するのは例年であれば7月中旬になる。
メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は19日、ゲレロ州とオアハカ州の沿岸部で大雨や強風の影響が出ていると述べ、住民に対しては外出を避けて当局の指示に従うよう呼びかけた。