ロシア・ウクライナの捕虜交換が延期、非難合戦で先行き不透明に
(CNN) ロシアとウクライナによる捕虜交換は7日に予定されていたものの実現せず、ロシア政府は交換直前にウクライナが延期したと非難した。ウクライナ当局はこれを「汚い駆け引き」だとして一蹴した。
ロシア側は、捕虜と死亡した兵士の遺体の引き渡しをウクライナが予告なく延期した結果、交換地点では冷凍トラックに収容されたウクライナ兵の遺体1200体余りが引き取りを待ち続けたと主張した。
ウクライナ側はロシアの説明を否定し、両国は7日に重傷を負った兵士や若い兵士の交換で合意していたが、遺体返還の日程はまだ決まっていなかったと反論した。
トルコ・イスタンブールで2日に行われた2度目の直接交渉で、両国はさらに捕虜を交換することで合意していた。ロシア代表団を率いるウラジーミル・メジンスキー氏は、今回の交換が3年に及ぶ戦争開始以来最大規模になると述べていた。
メジンスキー氏は7日午後、交流サイト「テレグラム」に、イスタンブールでの合意に従い、ロシア側は戦死したウクライナ兵6000人以上の遺体と、25歳未満の重傷兵の引き渡しという人道作戦を開始したと投稿した。
同氏によると、戦死したウクライナ兵1212人の遺体がすでに交換地点に到着し、残りは「輸送中」だという。また、ロシアはウクライナ兵捕虜640人の最初のリストを提示したとした。
ロシア国防省がテレグラムに投稿した動画では、防護服姿の男性2人が止まっているトラックの後部ドアを開ける様子が映っている。中には数十の白い袋があり、国防省によれば、ウクライナ兵の遺体が収められている。
メジンスキー氏は、国防省の連絡班がウクライナ国境で待機していたものの、ウクライナ側が「奇妙な理由」を挙げて遺体移送と捕虜交換を「無期限」に延期したと主張した。
ウクライナ側は、メジンスキー氏の主張について「現実に即していない」とし、捕虜と兵士の遺体の交換は別の手続きだと主張した。ウクライナはまた、ロシアが汚い駆け引きをやめるよう求めると訴えた。
捕虜交換は両国がわずかに歩み寄れるまれな分野とされてきたが、7日に予定された交換の頓挫は、和平交渉を阻んできた深い不信を改めて浮き彫りにした。