ウクライナとロシアの戦争は「子どものけんか」、トランプ氏が例える 当面の不介入示唆か

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ホワイトハウスで会談するトランプ大統領(中央右)とメルツ独首相(中央左)/Anna Moneymaker/Getty Images

ホワイトハウスで会談するトランプ大統領(中央右)とメルツ独首相(中央左)/Anna Moneymaker/Getty Images

(CNN) 数カ月にわたり、ロシアとウクライナの紛争を解決できるのは自分だけだという楽観論を様々な角度から表明してきたトランプ米大統領は5日、印象的な例えを用いて戦火が収束からは程遠いことを認めた。その上で、今介入するのは得策だと思わないとの見方を示した。

「時々、二人の幼い子どもが狂ったようにけんかしているのを目にする」。トランプ氏はホワイトハウスの大統領執務室でドイツのメルツ首相との会談中にそう語り、「お互いに憎み合っていて、公園でけんかしている。彼らは引き離されるのを嫌がる。しばらく戦わせてから引き離した方がいいこともある」と続けた。メルツ氏はその様子を静かに眺めていた。

4日に行った75分間の電話会談で、トランプ氏はロシアのプーチン大統領にこの例えを直接伝えたという。この場合トランプ氏は仲裁役としてではなく、口論を放置する審判として振る舞っているとみられる。

「ホッケーを見れば分かる。スポーツではよくある。審判はしばらく放っておいて、それから選手たちを引き離す」(トランプ氏)

トランプ氏にとってこうした発言は、解決不能の問題に対してお手上げであることを率直に告白しているに等しい。

トランプ氏は先週、プーチン氏に本気で停戦するつもりがあるのか「2週間」以内に判断すると述べていたが、その期限は以降繰り返されていない。

トランプ氏の放任主義的な立場は今後数週間で試練に直面するだろう。同氏は一連の世界首脳会議に臨む予定であり、米国の同盟国からより強固な姿勢で臨むよう圧力を受けることが予想されるからだ。

トランプ氏は、6月中旬にカナダで予定されている主要7カ国(G7)首脳会議で、ウクライナのゼレンスキー大統領と直接会う可能性が高い。過去3年間、この会議は西側諸国によるウクライナ支援のための運営委員会のような役割を果たしている。ゼレンスキー氏はゲストとして招待され、援助を強く要請してきた。

ただトランプ氏の側近によれば、会議の期間中に同氏がロシアへの新たな制裁に合意する見込みはほとんどないという。

トランプ氏が5日に表明した姿勢は、最終的なものではないかもしれない。戦闘状態を「当面の間のけんか」に例えた直後、同氏は「殺人を止めることには賛成だ」と主張した。

いずれにせよトランプ氏のコメントには、戦争終結の見通しに対する新たな諦めと、かつて自ら解決すると誓った紛争から距離を置く態度が表れている。

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