ゼレンスキー氏、「米国の沈黙はプーチン氏を勇気づけるだけ」 ロシアによる最大規模の空爆受け

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
25日に行われたロシアの攻撃で破壊された自宅の前で荷物を持ってたたずむ女性=ウクライナ・キーウ州/Thomas Peter/Reuters

25日に行われたロシアの攻撃で破壊された自宅の前で荷物を持ってたたずむ女性=ウクライナ・キーウ州/Thomas Peter/Reuters

(CNN) ロシアが3年を超えるウクライナ戦争の中で最大規模の空爆を実施し、2晩連続でウクライナ首都キーウをはじめとする各地をミサイルとドローン(無人機)で攻撃したことを受け、ウクライナのゼレンスキー大統領は米国の「沈黙」を非難した。

当局によると、ウクライナ各地で行われた攻撃で少なくとも12人が死亡、数十人が負傷した。死者には子どもも含まれる。

ロシアのプーチン大統領に対しては国際社会から停戦案を受け入れるよう求める圧力が高まっているにもかかわらず、ロシアによるウクライナへの空爆は激しさを増している。

ゼレンスキー氏は25日、テレグラムで「このようなテロ攻撃は、ロシアに新たな制裁を科す十分な根拠になる。ロシアはこの戦争を長引かせ、日々殺りくを繰り返している」と糾弾した。

「世界は休んでいるかもしれないが、戦争は週末や平日を問わず続いている。これは無視できない。米国、そして世界の他の国々の沈黙は、プーチン氏を勇気づけるだけだ」(ゼレンスキー氏)

25日のロシアによる攻撃によって発生した火災に対応する消防士ら/Ukrainian Emergency Service/AP
25日のロシアによる攻撃によって発生した火災に対応する消防士ら/Ukrainian Emergency Service/AP

トランプ米大統領も同日、「我々は話し合いを続けている最中なのに、彼はキーウなどの都市にロケット弾を撃ち込んでいる」とプーチン氏への不満を漏らした。

トランプ氏は記者団に対し、「彼は多くの人々を殺している。プーチン氏に一体何が起こったのか分からない。私は彼を長年知っている。ずっと彼との仲は良かったが、彼は都市にロケット弾を送り込み、人々を殺している。全く気に入らない」と述べた。

米国のケロッグ・ウクライナ担当特使は、ロシアによる夜間攻撃について、無実の人々を守ることを目的に1977年に採択されたジュネーブ条約の追加議定書に明白に違反していると非難した。

ゼレンスキー氏は「ロシア指導部に真に強い圧力をかけなければ、この残虐行為を止めることはできない」と述べ、米国と欧州に新たな制裁を呼び掛けた。

トランプ氏は、進展の「可能性がある」ため、ロシアに対する新たな制裁には参加しないとしてきたが、方針を変更する可能性があると述べた。同氏は戦争終結による経済的インセンティブについても言及しているが、今回の攻撃によってウクライナとその支援国は、プーチン氏が米国との貿易に重きを置いていないということを改めて認識することになりそうだ。

メールマガジン登録
見過ごしていた世界の動き一目でわかる

世界20億を超える人々にニュースを提供する米CNN。「CNN.co.jpメールマガジン」は、世界各地のCNN記者から届く記事を、日本語で毎日皆様にお届けします*。世界の最新情勢やトレンドを把握しておきたい人に有益なツールです。

*平日のみ、年末年始など一部期間除く。

「トランプ大統領」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]