パレスチナのアッバス議長、人質解放をハマスに要求 異例の強い非難
エルサレム(CNN) パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長が23日、ガザのイスラム組織ハマスに対し、ガザで拘束しているイスラエルの人質の解放と武装解除を要求した。
アッバス氏はパレスチナ自治区ヨルダン川西岸のラマラでテレビ演説を行い、優先すべきは「ガザ地区が被っているイスラエルのジェノサイド(集団殺害)」を止めることだと強調。人質の存在はイスラエルがガザ攻撃を正当化する口実になっていると述べ、「人質を解放して彼らの正当化を封鎖せよ」とハマスに迫った。
アッバス氏が公の場でハマスをこれほど強く非難するのは異例。イスラエルとハマスの停戦交渉を進展させようとする動きが続く中、ハマスの武装を解除させる案はエジプトからも浮上していた。
演説の中でアッバス氏は、パレスチナ国家樹立の構想を掲げてガザの戦争の終結を訴え、パレスチナ解放機構(PLO)の下でのパレスチナ政治勢力結集を呼びかけた。ガザからのイスラエル軍の完全撤退も優先課題とした。
その上で「ハマスはガザ地区の支配を終わらせ、全ての職務をPLOと正当なパレスチナ自治政府に引き渡し、武器の携行を自制し、パレスチナ国家の法に従って活動する国際的に正当な政党へと変わらなければならない」と力説している。
ハマスはこの演説に反論する声明を発表。アッバス議長が「(イスラエルによる)占領の犯罪と侵攻の責任をパレスチナの人々に押し付けている」として非難した。