ATM爆破による現金強奪、ドイツが格好の標的にされる理由とは

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銀行支店内のATMが爆破された現場=2022年11月14日、ドイツ・ノイシェーニングシュテット/Daniel Bockwoldt/picture alliance/Getty Images/File

銀行支店内のATMが爆破された現場=2022年11月14日、ドイツ・ノイシェーニングシュテット/Daniel Bockwoldt/picture alliance/Getty Images/File

(CNN) 2023年3月23日未明、ドイツのクロンベルクの街に、爆発音が連続して鳴り響いた。市中心部の集合住宅の一画にあるATMが爆破されていた。

現地メディアの報道によると、爆発で建物は大きく損傷し、住人は避難を強いられた。目撃者は、黒っぽい服装の集団が黒い車に乗り込んで幹線道路の方へ逃走するのを見たと証言した。

ドイツ連邦刑事庁(BKA)によると、ATMからは13万ユーロ(約2150万円)が盗まれ、建物などには50万ユーロ相当の被害が出た。

欧州で銀行強盗よりも手っ取り早く現金を強奪する手段として、ATMを狙う犯行が増えている。特にドイツではここ数年、1日に1件を超す頻度でATM爆破事件が相次ぐ。

欧州刑事警察機構(ユーロポール)は一連の事件に関与している犯罪組織の摘発を目指し、国境をまたぐ大規模な作戦を展開している。ユーロポールの発表によれば、ドイツ、フランス、オランダの当局は今月、爆弾を使ったATM襲撃を実行していた犯罪組織のメンバー3人を逮捕した。

3人は22年以来、現金数百万ユーロを強奪し、22~24年にかけてほぼ同額の器物損壊にかかわったとされる。

犯罪組織はフランス国内の「隠れ場所」を利用し、フランスのレンタカー会社から借りた車を逃走に使っていた。ATM爆破には、主に花火から作った爆弾が利用されていた。

犯行グループは静かな住宅街にあるATMを狙うことが多く、過去には死者が出たこともある。

昨年11月11日、ドイツのバーデン・ビュルテンベルク州ビルンスハイムでATM強盗が発生。4万ユーロを盗んだオランダ出身の3人は高級車のフォルクスワーゲン・ゴルフで逃走しようとして警察に追われ、ドイツの高速道路を逆走した。

3人のうち2人は拘束されたものの、運転していた30歳のオランダ人は猛スピードで逆走を続け、対向車と衝突した。対向車に乗っていた1人は重傷を負って数日後に死亡。やはり重傷を負ったオランダ人は逮捕され、その後終身刑を言い渡された。

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