移民乗せた車両を軍が銃撃、6人死亡 メキシコ
(CNN) メキシコ軍の兵士が移民を運ぶピックアップトラックに発砲し、エジプト、エルサルバドル、ペルー出身の6人が死亡していたことが4日までに分かった。メキシコのシェインバウム大統領は事件を「遺憾」と表明した。
事件が起きたのは1日夜。兵士らは移民33人を運ぶ車両1台が「高速で走行」しているのを発見した。メキシコ国防省が明らかにした。
声明によると、当該の車両はグアテマラと国境を接するチアパス州で軍が行っていたパトロールを避けようとしたとみられる。
「ピックアップトラックの後ろには、現地の犯罪組織が使用するような車両2台が続いていた」と、国防省は説明。兵士2人から、爆発音を聞いたため銃撃を開始したとの報告を受けたと付け加えた。
同省によると移民4人はその場で死亡。さらに2人が近隣の病院で亡くなった。12人が負傷したという。
シェインバウム氏は3日、死亡した移民の国籍を明らかにした。その上で事件の捜査と処罰の適用を求めた。銃撃に絡んだ兵士らはいずれも役職から外され、「事件の経緯を捜査するため」検察に引き渡されたという。
チアパス州では暴力が拡大している。背景には麻薬カルテルが移民や薬物の密輸ルートの支配権を巡って繰り広げる抗争がある。