デモ隊が議会に乱入、司法改革の改憲案に抗議 メキシコ
(CNN) メキシコの国会議事堂で10日、司法改革に抗議するデモ隊が扉を破って上院の議場に乱入し、議会が審議の中断を余儀なくされた。
この日の審議に続いて採決が予定されていた改憲案には、裁判所の判事を全て国民の投票で選ぶ内容が盛り込まれていた。しかしデモ隊の乱入を受けて上院のヘラルド・フェルナンデス・ノローニャ議長は議員に議場から退避するよう促した。
上院議事堂内のドアを破壊しようとするデモ参加者=10日、メキシコ/Raquel Cunha/Reuters
議事堂に入りメキシコの国旗を振るデモ参加者=10日、メキシコ市/Luis Cortes/Reuters
現場を撮影した映像には、デモ隊が議場前に押し寄せて扉を激しくたたいたり、上の階からメキシコの国旗を振ったりする様子が映っている。中にはデモ隊に声援を送る議員もいた。
改憲案はメキシコのアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール大統領が主導。大統領は、自身の目玉政策を阻止した最高裁に対して以前から批判的だった。
政府の司法改革案に抗議する人々=10日/Eduardo Verdugo/AP
改憲案が成立した場合、裁判所の判事は全て選挙で選ばれることになる。そうなればメキシコは国際的な常識から外れた異端になると専門家は指摘している。
改憲案は数日前に下院を通過。しかし上院で成立させるためには圧倒的多数の支持を必要とする。