ラファの国連施設内に武装勢力、映像公開して国連に調査要求 イスラエル
(CNN) イスラエル国防軍(IDF)が国連に対し、パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファの国連施設にいる武装勢力について調査するよう求めている。
IDFが14日に公開したドローン(無人機)映像には、重要な援助物資の配布拠点となっているラファの国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の物流施設で国連車両の近くに武装した人物らがいる様子が映っている。同軍によると、この映像は11日に撮影された。CNNは映像が撮影された日付を独自に確認できていない。
ガザで活動する国連の主要機関であるUNRWAは、映像の「信ぴょう性や内容を確認することはできない」としながらも、映像に映っている施設は先週、職員が立ち退いたUNRWAの倉庫である「可能性がある」と述べた。
UNRWAの広報官は声明で、紛争当事者による国連施設の軍事・戦闘目的での使用を非難すると述べた。
同広報官によると、UNRWA職員は先週、イスラエル軍によるラファ東部に対する避難命令を受け、「安全のため」施設からの避難を指示された。職員は車両と小麦粉を施設に残していったという。
イスラエル軍によると、ガザへの人道支援を調整するイスラエルの政府機関「占領地政府活動調整官組織(COGAT)」は、軍が発見した内容について国連職員を含む「国際社会の高官」に共有したという。
イスラエル軍の広報官は「武装勢力や車両が国連施設内におり、国連職員の近くにいることが明らかだったので攻撃しなかった」と述べたが、同軍は以前、国連施設を攻撃したことがある。
イスラエル軍のドローン映像に映っている武装した人物らが、イスラム組織ハマスやガザの他の武装勢力の一員なのかは不明だ。
イスラエル軍がこの映像を公開した前日には移動中の国連車両がラファで襲撃され、国連職員1人が死亡、1人が負傷した。国連は戦車が車両に発砲したとみていると発表し、イスラエル軍は「調査中」としている。