ヒズボラが緊張煽るならレバノンの「ガザ化」警告、イスラエル
(CNN) イスラエル首相府は30日までに、同国北部で越境のロケット弾攻撃などを繰り返すレバノンのイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」に対し緊張を高め続けるのなら、パレスチナ自治区ガザ地区の現状を「複写してレバノンへ貼り付ける」と改めて警告した。
首相府のハイマン報道担当者は、ヒズボラにはこれまで、緊張の度合いを増やすのならイスラエルも同等の対応を取り、レバノンを「ガザ化」の状態にするとの意図を明確にしてきたと指摘。
対レバノン国境では警戒すべき活動が増大しており、イスラエルは砲火を浴びた場合、その出所に砲火を返していると説明。ヒズボラなどの親イラン派勢力は多数の戦線でイスラエルへの攻撃を模索しているとし、「イスラエルは今こそ選ぶべき適切な時期と判断したのなら、これら勢力を一つずつつぶしていくだろう」と主張した。
レバノンの国営メディアによると、イスラエル軍は27日、レバノン南部を攻撃し、少なくとも16人が死亡した。イスラエルの救急医療当局によると、同国北部キリヤット・シュモナに同日、ヒズボラによるロケット弾攻撃があり、少なくとも1人が死亡した。
ヒズボラはキリヤット・シュモナに数十発のロケット弾攻撃を仕掛けたことを認めた。レバノン南部のババリエ町の医療施設が攻撃されたことへの対抗措置とした。
また、イスラエル軍は29日、レバノン南部バズリーエ地区への空爆でヒズボラのロケット弾・ミサイル部門の副司令官とされる人物を殺害したと発表した。
ヒズボラは声明でこの人物の死亡を認めたが、肩書や死亡へ至った経緯には触れなかった。レバノン国営通信(NNA)はバズリーエ近くで同日、車両へのドローン(無人機)攻撃があり、2人が死亡したと伝えた。死亡者の身元には言及しなかった。