東アフリカで豪雨による洪水、死者350人以上
(CNN) 東アフリカが数週間前から激しい雨と洪水に見舞われ、ケニア、ソマリア、エチオピア、タンザニアで計350人以上が死亡、100万人以上が避難を強いられた。
ケニア内務省によれば、同国の死者は少なくとも136人、避難した住民は50万人近くに上った。
ルト大統領が先週の閣議で語ったところによると、10月から続いた雨で、47県のうち38県が鉄砲水や洪水、土砂崩れの被害を受けた。
特に北東部と東海岸で民家やインフラが破壊され、モンバサ港からの貨物鉄道も先月運休に追い込まれた。
ルト大統領は緊急対応のため、国家災害対策センターを発動させた。
人道支援団体の国際救済委員会(IRC)によると、ケニア東部ダダーブのハガデラ難民キャンプでは先月、15区画のうち3区画の住居が浸水し、約2万人が避難した。
同国の気象当局はこの豪雨について、太平洋赤道域東部の海面水温が高くなる「エルニーニョ現象」が主な原因だと指摘し、今後さらに年明けまで続くとの見通しを示した。
エルニーニョ現象はこれまでも東アフリカに大規模な水害をもたらす一方、アフリカ北部や南部で深刻な干ばつを引き起こしてきた。
アフリカ大陸東端のケニア、ソマリア、エチオピアなど「アフリカの角」と呼ばれる地域は世界でも特に気候変動の影響を受けやすく、水害と干ばつが今後ますます増える恐れがある。
ソマリア赤新月社の報道担当者はCNNとのインタビューで、「つい数カ月前は深刻な干ばつ被害を受けたばかりだ」と述べた。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、洪水の死者はソマリアで110人、エチオピアで57人に上っている。
タンザニア北部のマニャラ州では、洪水と土砂崩れによる死者49人、負傷者85人が報告された。