中国、「違法な」測候所を取り締まり スパイ防止活動の新たな標的に

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中国の測候所で使用されている気象観測用の装置/Ministry of State Security

中国の測候所で使用されている気象観測用の装置/Ministry of State Security

香港(CNN) 中国が国内にある複数の測候所の取り締まりに動いていることが2日までに分かった。外国のためのスパイ活動を行っているというのがその理由だ。地政学的な緊張が高まる中、習近平(シーチンピン)国家主席の下で展開する広範なスパイ防止活動の最新の措置となる。

中国国家安全部は10月31日、違法と位置づける測候所をこれまで数百カ所発見していることを明らかにした。これらの測候所は外国とつながりがあり、リアルタイムの気象データを国外へ送っているという。これはデータにまつわる複数の規定に違反し、国家安全保障を危うくする行為とされる。

当該の測候所は20以上の省で見つかった。中には「外国政府から直接資金提供を受けている」施設もある。国家安全部がソーシャルメディア上の声明で明らかにした。

一部の測候所は軍事基地や国防企業など機密に関わる施設の周辺に設置され、標高やGPS(全地球測位システム)データの特定に利用されていた。また主要な穀物生産地帯には、別の複数の測候所が穀物の生育や収穫高の分析のために設置されているという。

測候に使用する機器の中には、小型で簡単に設置できるものがある。これらは発見が難しく、自動的にデータを収集し、ネットワークを通じてリアルタイムで送信可能な仕組みになっている。

一部の測候所は、リアルタイムの情報を国外の気象機関に高頻度で送信していた。長期にわたる送信も多数の箇所で行われていたと声明は指摘。諸外国の「国土安全保障」及び気象観測に役立っていたと付け加えた。

国家安全部は、具体的にどの国が関与しているかは明言しなかった。

今回の発見に先駆け、気象観測装置を扱う国外の仲介業者10社以上を対象とした調査並びに外国とつながりのある全国の測候所3000カ所以上に対する捜索が行われた。

関連する外国側の当事者は、活動に当たって行政の許可を受けていなかった。収集したデータは中国の気象当局に提出することなく、承認を得ない形で国外に送信していたという。

外国の当事者が中国国内で気象データを収集し、中国当局がこれに異議を唱える事例は以前にも起きている。

2012年、米大使館が中国国内の大気の質に関するデータを記録、公開した際には、中国政府がそうした行為の停止を要求した。

今年初めには中国の偵察気球が米大陸を横断し、軍事関連施設の上空で空中静止するなどの事象が発生していた。この気球は米軍によって撃墜された。

中国側は気球について、民間のもので調査目的だと主張。主に気象関係の調査を行っていたところ計画していた経路を外れたとし、米軍による撃墜は過剰反応だと非難していた。

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