イスラエルが頼る防空ミサイルシステム、ハマス攻撃にも対処

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ガザ地区からイスラエルに発射されたロケット弾を迎撃するアイアンドーム=5月11日、スデロット近郊/Ohad Zwigenberg/AP/FILE

ガザ地区からイスラエルに発射されたロケット弾を迎撃するアイアンドーム=5月11日、スデロット近郊/Ohad Zwigenberg/AP/FILE

(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスはイスラエルへの大規模攻撃で数千発ものロケット弾を浴びせたが、これを迎撃する主軸となったのがイスラエルが独自開発した防空ミサイルシステム「アイアンドーム」だった。

軍事アナリストによると、イスラエルが保持する兵器の中でも最重要な装備品の一つとされ、過去数十年内に発生した様々な軍事衝突で膨大な人数の国民を救ったといわれる。

性能は高く、イスラエル軍によるとガザの武装組織「イスラム聖戦」が今年5月に仕掛けたロケット弾攻撃では95.6%の精度で撃ち落としたという。過去には90%を超える命中率を誇ってもいた。

アイアンドームの開発は2007年に開始。08年と翌年に発射試験などを実施し、11年に最初に配備された。これ以降も改良が複数回加えられている。

接近する飛行体の迎撃用に設計され、ロケット弾などを探知するレーダーや、この飛行体が脅威を及ぼすのか、あるいはひとけのない場所へ落下しそうなのかを素早く計算する指揮・制御機能を担う車両も備える。脅威を感知したのならミサイル「タミル」を発射し、空中で迎撃する。多数の飛行体にも同時の対応が可能となっている。

レーダーは4~70キロの範囲内でロケット弾などの飛来を警戒し、探知した場合、飛行経路などの情報を発射装置近くに設けられた指揮・制御車両に伝える。住人がいない地域や海上へ落ちそうなものは無視し、人口密集地に着弾しそうなロケット弾などを狙って迎撃する。

移動式のアイアンドームは計10基で編成され、1基はそれぞれ3〜4の発射装置を持つ。

ロケット弾のほか、迫撃砲の砲弾やドローン(無人機)にも対処が可能で、人口密集地域での防御範囲は最大で約155平方キロに達する。


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