ワグネルのトップ、10日にバフムート撤退と表明 弾薬不足理由に
(CNN) ロシアの民間軍事会社ワグネルのトップ、エフゲニー・プリゴジン氏は5日、ウクライナ東部の激戦地バフムートから10日に撤退すると表明した。戦闘員の弾薬が不足していることを理由に挙げた。
プリゴジン氏はSNSテレグラムに投稿した声明で、「参謀総長、国防省、最高司令官、そしてロシア国民に正式に告げる」と言及。「2023年5月10日、我々はバフムートの陣地を国防省の部隊に引き渡し、ワグネルの残りの人員を後方拠点に撤退させて傷を癒やすことを余儀なくされる」と述べた。
部隊を引き揚げる理由については、「弾薬が無ければ彼らは無意味に死んでいく運命だからだ」と説明した。
プリゴジン氏はこの前日、ロシア軍指導部を激しく罵倒する動画を投稿。ウクライナでの戦闘で死亡した戦闘員とされる数十人の遺体の前に立ち、ロシア政府からの支援が不足していたせいで死亡したと主張した。
プリゴジン氏の部隊はバフムートを含むウクライナ領へのロシアの攻撃で重要な役割を担ってきた。
プリゴジン氏はかねてロシア政府からの支援が不十分だと不満を示しており、先月30日のインタビューでバフムートから戦闘員を撤退させる意向を示唆していた。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は今回の発表について言及せず、記者会見で「もちろんメディアで見たが、特別軍事作戦に関わることなのでコメントできない」と述べるにとどめた。