ウクライナ戦況の今後占う重要情報も含む、流出の米機密文書

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ドネツク州アウディーイウカ方面に向けた自走砲に弾丸を装填するウクライナ軍の兵士ら/Diego Herrera Carcedo/Anadolu Agency/Getty Images

ドネツク州アウディーイウカ方面に向けた自走砲に弾丸を装填するウクライナ軍の兵士ら/Diego Herrera Carcedo/Anadolu Agency/Getty Images

ある文書は、動員可能な544の大隊のうち527がウクライナでの軍事作戦に駆り出され、474がウクライナ内に既に投入されたとした。多数がウクライナ南部に配備されたとし、中南部ザポリージャ州に推定2万3000人、南部ヘルソン州に1万5000人と見込んだ。両州での兵員増強は、ウクライナの反攻がこの2州で始まるとのロシアの判断を物語っているともした。

激戦が続くとされるウクライナ東部ドネツク州に送り込まれた91大隊のうちの19大隊が戦闘的に無能ともされた。

文書によると、ロシア軍の装備品の在庫は依然大量にあるが、最良のものの一部を既に失っていると説明。旧式で信頼性が乏しい装備を再利用しているとした。ロシアは装備や人員補給面で定めた目標数値に到達できない状態が続いているとも述べた。

漏洩(ろうえい)した文書1件は、ウクライナの地上軍はロシア地上軍より組織として良好な状態にある可能性があると分析。特に新たな12旅団の訓練や装備供給が十分に終わればなおさらとした。

一方で旧ソ連時代の防空手段に頼っている現状は脆弱性の増大につながるとした。この弱点はウクライナ軍が反攻に転じたとしてもロシア空軍に制空権を与え、ウクライナ軍の反攻を鈍らせることも考えられると続けた。

これら文書は、ウクライナ軍が保持する旧ソ連時代の中距離対空ミサイルの在庫分が深刻に減少している実情にも触れた。ドイツ製の高性能の防空システム「IRIS-T(アイリスティー)」のミサイルが今年2月までに払底した可能性にも言及した。

ウクライナは欧米に対し対空兵器の供与を一貫して求めてもいる。

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