爆死の軍事ブロガーはウクライナ生まれ、侵攻を熱烈に支持

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サンクトペテルブルクのカフェで起きた爆発で死亡したウラドレン・タタルスキー氏/@Vladlentatarskybooks/Telegram/Reuters

サンクトペテルブルクのカフェで起きた爆発で死亡したウラドレン・タタルスキー氏/@Vladlentatarskybooks/Telegram/Reuters

(CNN) ロシア・サンクトペテルブルクのカフェで2日に起きた爆発で死亡したウラドレン・タタルスキー氏(40)は、歯に衣(きぬ)着せぬ発言で知られる国家主義の軍事ブロガーだった。戦争を熱烈に支持し、時に戦場でのロシアの失態を批判していたことでも知られる。

国営メディアに掲載されたプロフィルによると、タタルスキー氏はウクライナ東部ドンバス地方のマキイウカで生まれ、2014年にロシアを後ろ盾とする分離主義勢力に加わった。その後はモスクワに拠点を移した。

ウクライナ侵攻後、ドンバスに戻って再び分離主義勢力に合流。この時期に影響力が拡大し、SNSテレグラムに持つチャンネルの登録者数は50万人を超えた。

強硬な戦争支持の見解を貫く同氏はウクライナに対して徹底して敵対的で、民間目標と軍事目標をほとんど区別していなかった。

タタルスキー氏の発言で最も悪名高いのは恐らく、ウクライナ4州の違法併合が決まった昨年9月にロシア大統領府内で発した言葉だろう。

「この瞬間を待っていた全ての人を祝福する。我々は全員を打ち負かし、全員を殺し、必要な全員から奪う。何もかも我々の望み通りになる」というのがその発言だった。

タタルスキー氏の本名はマキシム・フォミンだが、ロシアの作家ビクトル・ペレービン氏の小説「ジェネレーション〈P〉」の登場人物にちなみ、別名を名乗っていた。

この登場人物は詩人になりそこねたコピーライターという設定。小説の舞台はエリツィン政権初期の時代で、当時の腐敗や消費主義を批判する狙いが込められている。

カフェで爆発が起きた時、タタルスキー氏は戦争支持団体のゲストとして招かれていた。当局は殺人事件として調べを進めている。

タタルスキー氏が標的だったことが確認された場合、ロシア国内で2度目のケースとなる。昨年8月には、有力な国家主義の思想家アレクサンドル・ドゥーギン氏の娘、ダリヤ氏が自動車爆弾で死亡する事件が起きた。

ドゥーギン氏はロシアによるウクライナ侵攻の立役者、あるいは「精神的指導者」とされる。ダリヤ氏とタタルスキー氏は同一の人脈に属しており、一緒にいる様子が何度も撮影されていた。

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