「面白半分に人を殺す」 国外へ脱出の元ロシア兵、ブチャでの戦争犯罪を糾弾

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ロシア軍に加入していた際のチブリンさんの軍事文書/Courtesy Nikita Chibrin

ロシア軍に加入していた際のチブリンさんの軍事文書/Courtesy Nikita Chibrin

レイプや殺人、略奪について司令官らは十分把握していたものの、それらを裁くことにはほとんど関心を示さなかった。実際のところ対策は全くとられず、「規律などどこにもなかった」(チブリンさん)

CNNはこうした主張についてロシア国防省にコメントを求めたが、現時点で返答はない。

チブリンさんはロシアが最終的にこの戦争に敗北するのは間違いないとみているが、それまでにはさらに多くの人命が失われるだろうと予測する。ロシア軍にとって兵士は使い捨てであり、配備されている兵器もソ連時代の古いものに頼っているのが実情だ。これに対しウクライナ軍は、西側諸国から最新鋭とされる兵器の供与を受けている。

部隊が3月下旬にキーウ州から撤退した後、チブリンさんは背中の負傷のためロシア国内の軍病院に入った。しかし5月になると、再びウクライナに送られた。今度は東部のハルキウ州だ。イジューム市周辺の森の中で過ごしていた時、ようやく部隊を脱出するチャンスが巡ってきた。ロシアに向かって引き揚げる別の部隊のトラックに飛び乗ることができたのだ。

トラックに乗ると、他にもウクライナを去ろうとする兵士たちがいた。チブリンさんらは運転する司令官に金を払い、ロシア国境に到着したところでトラックを降りた。

ロシアに戻ってから1カ月近くは病院で過ごした。その後軍との契約を解除する手続きを進めようとしたチブリンさんだったが、9月になってロシア政府が部分的動員を発表。友人から契約が解除できなくなると告げられたのを受け、国外への脱出を図った。仲介人の助けを借りながらベラルーシ、カザフスタンと移動し、現在の住所に行き着いた。

今後はウクライナで目撃したことについて、積極的に発言しようと決めている。戦争に反対する歌も作った。戦争で亡くなった多くの人々や、子どもを奪われた多くの母親について歌っている。

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