「信じられないほど危険で、気が滅入る」、ウクライナ軍兵士らが語るヘルソン攻防戦の内幕

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シリアでISISと戦った経歴を持つ英国出身のM・ギフォード氏/Vasco Cotovio/CNN

シリアでISISと戦った経歴を持つ英国出身のM・ギフォード氏/Vasco Cotovio/CNN

シリアで戦ったこともある英国人のメイサー・ギフォード氏(35)も同意見だ。「この数カ月は間違いなく激戦だった」「ロシア軍はありとあらゆる汚い戦術を使った。民間人のいる地域への大規模爆撃も行った。そのため戦闘は信じられないほど危険で嫌な、気が滅入るものになった」

ピドリスニー氏とその部隊に安堵(あんど)感が広がったのは、ロシア軍がドニプロ川の向こうへ撤退する可能性があるとの情報が入り始めた時だ。

同氏によると、ロシア軍はヘルソンから夜の闇に紛れて今月8日から9日にかけて撤退を開始。10日までにはドニプロ川西岸の全ての部隊が河岸へ後退し、東岸に渡り始めた。撤退は翌日完了し、ロシア国防省が公式のテレグラムチャンネルでそれを確認した。

ウクライナの首都キーウ(キエフ)やハルキウからの撤退が混乱の中で行われた一方、ロシア国防省はヘルソンからの撤退について計算された判断であり、プロフェッショナルらしいやり方で遂行されたと主張。「軍の装備や武器はただの一つも右岸(西岸)に残されてはいない」とした。

ただピドリスニー氏の部隊は、この説明を鵜呑(うの)みにしていない。ロシア軍はおよそ1週間かけて撤退を準備していたものの、そこにはやはり慌てた様子が見られた。

「別の諜報(ちょうほう)部隊と共にロシア軍の陣地を調べたところ、極めて迅速に最前線から逃げ去ったことが分かった。書類など、多くのものも置きっぱなしだった」(ピドリスニー氏)

CNNと共有した動画にも、弾薬の入った多数の箱などが映っている。ギフォード氏は「対空砲から手榴弾(しゅりゅうだん)、小火器まであらゆる武器を大量に残していった」と述べた。

ウクライナ軍の兵士らは、こうした兵器の回収に驚きながらも「資源の再配分」と呼んで歓迎している。

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