「信じられないほど危険で、気が滅入る」、ウクライナ軍兵士らが語るヘルソン攻防戦の内幕

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ニュージーランドからウクライナに渡り、戦闘に参加するJ・オブライエン氏/Vasco Cotovio/CNN

ニュージーランドからウクライナに渡り、戦闘に参加するJ・オブライエン氏/Vasco Cotovio/CNN

この部隊には、より高度な訓練を受けた国外出身の志願兵が含まれている。彼らは戦争が始まってからウクライナにやってきた兵士たちで出身国は米国や英国、ニュージーランド、ドイツ、その他欧州諸国となっている。志願兵らは過去にはそれぞれの国の軍隊に所属し、中にはシリアでクルド人部隊と共に過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」と戦った兵士もいる。

CNNと共有したドローン映像には、砲撃を浴びるロシア兵が塹壕(ざんごう)に逃げ込む様子が映っている。最初の一斉砲火は標的をやや外れたが、偵察隊の兵士がドローンを使用して微調整の指示を砲兵に送ると、数秒後にはロシア軍の掩蔽壕と塹壕から煙と土ぼこりが立ち上った。

こうした攻撃にさらされる恐怖は、土ぼこりの中を必死で逃げ惑うロシア兵の姿に如実に表れている。彼らは安全に身を隠せる場所を求めて走るが、周囲を襲う爆撃は激しさを増す一方だ。

夏から秋にかけて、ヘルソン州の前線ではこうした戦闘が繰り返されていた。ピドリスニー氏によればロシア軍は銃火器の数でこそ勝るものの、北大西洋条約機構(NATO)など西側諸国から供与されるウクライナ軍の銃火器は精度で優位に立っているという。

高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」などが威力を発揮した結果、撤退前のロシア軍は先月だけで90台の戦車を失ったと、ピドリスニー氏は指摘する。

ロシア軍をドニプロ川西岸から撤退させた際には歓喜に沸いたウクライナ軍だが、そこに至るまでは「何カ月も欲求不満の状態が続いた」と、ニュージーランドから戦闘に参加したジョーダン・オブライエン氏(29)は振り返る。

6月からウクライナ軍の対戦車部隊に加わる同氏は、「戦場で戦果を挙げるのは難しかった。実際のところ、ロシア軍の戦車が見える地点にたどり着くのが極めて困難だった」「相当な深みにはまっていた」と振り返る。

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