中国74都市で3億人超がロックダウン、ゼロコロナ固執の理由とは
ロックダウンはわずか数例の症例が確認されただけで即座に始まることもあり、人口1000万人以上の大都市や、産業中心地も対象となっている。
南西部の大都市・成都では1日、2100万人がロックダウンに入った。4日には市の大部分でロックダウンが延長され、5日~7日にかけてさらなる集団検査が命じられた。
4日には成都の女性が投稿した動画の中で、重病だった息子が1週間にわたって強制隔離され、心疾患の治療ができる機会を逸して死亡したと涙ながらに訴えた。CNNはこの動画の信憑(しんぴょう)性は確認できていない。しかしSNSでは怒りや同情の声が広がった。
油田で知られる北東部の黒龍江省・大慶市(人口270万人)は、数百例の症例報告を受けて先週から中心部がロックダウンに入った。住民の男性(27)は2日、SNSへの投稿で、妊娠中だった妻がロックダウンのために治療を拒まれて流産したと訴えた。当局は3日、この投稿をめぐり憤りの声が噴出したことを受け、徹底調査を約束した。
新疆ウイグル自治区の伊寧県では、1カ月にわたるロックダウンで食料や生活必需品が不足しているとして、住民がロックダウンを終わらせるよう訴えている。
パンデミック(世界的大流行)の震源地として世界初のロックダウンが行われた中部の武漢では、1週間に及んでいるロックダウンの解除を求めて住民が抗議デモを行う映像がSNSに掲載された。
当初はゼロコロナを支持していた国民の間でも、終わりのない日常生活の制限や経済的打撃に対する不満が増大している。