中国は太平洋島嶼国を「対等」と認識、米国は「裏庭」扱い 前駐米大使が主張

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CNNのインタビューに応じる中国の崔天凱・前駐米大使/CNN

CNNのインタビューに応じる中国の崔天凱・前駐米大使/CNN

シンガポール(CNN) 中国の崔天凱・前駐米大使は12日、中国が南太平洋の小さな島嶼(とうしょ)国を対等な存在とみなしているのに対し、欧米諸国は植民地時代に逆戻りして南太平洋を「裏庭」のように扱っていると主張した。

シンガポールでの「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」に合わせて行われたCNNとのインタビューで発言した。

崔氏は2013年から21年まで駐米大使を務めた人物。欧米諸国の間では中国が太平洋の島嶼国と新たな経済・安全保障協定を結ぼうとしていることへの懸念が高まっているが、インタビューで崔氏はそうした懸念を打ち消そうと試みた。

崔氏は、中国は近隣諸国との関係で「現代的」なアプローチを採用しており、可能なすべての方法で支援を申し出ていると強調。一方、欧米諸国の考え方は過去にとらわれたままだと主張した。

南太平洋で増大する中国の影響力に米国は神経をとがらせる。米国は島嶼国を米領グアムとオーストラリアをつなぐ戦略的リンクと位置づけており、中国政府がこの地域で一段と強気に自国の政策を推進しつつ、軍事的な足がかりを得ようとしているとみて警戒している。

だが崔氏は、中国は米国やオーストラリアとは違い、この地域を大国間競争の一部とはみなしていないと主張。「オーストラリアのような国は島嶼国を(自国の)裏庭とみなしているのかもしれない。米国がモンロー主義に従い南米を裏庭とみなしているように」と指摘した。

モンロー主義は2世紀近くにわたり南北米大陸での米国の政策の要になってきた。1823年に当時のモンロー大統領が初めて提唱したもので、米政府の公文書によると、「欧州諸国に対し米国は(西半球での)さらなる植民地化や傀儡(かいらい)君主を容認しないと警告する」内容とされる。

モンロー主義が援用された例として最も有名なのは1962年のキューバ危機の際、当時のケネディ大統領がソ連のミサイルをキューバから撤去させる根拠としてモンロー主義を使ったことだ。

南太平洋での中国のプレゼンス拡大をめぐる緊張はキューバ危機当時の水準には遠く及ばないが、欧米の懸念は高まっており、中国がソロモン諸島との安保協定を発表したことで懸念に拍車がかかっている。

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