まるで「ビックリ箱」、ウクライナで戦うロシア軍の戦車が抱える設計上の欠陥とは

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ハルキウでの戦闘の後、砲塔と車体が分かれた状態で横たわるロシア軍の戦車/Celestino Arce/NurPhoto/Reuters

ハルキウでの戦闘の後、砲塔と車体が分かれた状態で横たわるロシア軍の戦車/Celestino Arce/NurPhoto/Reuters

補充は困難

ここまで何台のロシア軍戦車がウクライナで破壊されたのかを把握するのは簡単ではない。オープンソースインテリジェンスのモニタリングウェブサイト、オリックスは28日、少なくとも300台のロシア軍戦車が破壊され、さらに279台が損傷もしくは放棄、鹵獲(ろかく)されているとの見方を示した。

しかし同サイトが集計しているのは、目に見える証拠がある場合のみ。従ってロシア軍の実際の損失はこれをはるかに上回る可能性がある。

しかもこうした損失は装備だけの問題ではない。ウォレス英国防相は冒頭の戦車の損失に関する推計のほか、1万5000人を超えるロシア軍要員が侵攻中に死亡したとも述べている。

このうち戦車の搭乗員が何人いるのか突き止めるのは困難だが、疑いなく言えるのは搭乗員らの補充は容易ではないということだ。

ウクライナ侵攻で何台のロシア軍戦車が破壊されたのか、正確な数は判然としない/Genya Savilov/AFP/Getty Images
ウクライナ侵攻で何台のロシア軍戦車が破壊されたのか、正確な数は判然としない/Genya Savilov/AFP/Getty Images

戦車の搭乗員の訓練には最短でも数カ月かかり、1年でも早いとみなされることがある。フィンランド国防軍の元戦車搭乗員、アレクシ・ロイニラ氏はそう語る。

そのためロシアが戦争の続くこの時点で数百人の搭乗員を補充するのは無理な注文だろう。使用するつもりの戦車に重大な欠陥があるならなおさらだ。

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