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全ての道はベラルーシに通ず――キエフに迫る64キロ超の車列の出発点

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キエフ郊外に到達したロシア軍の車列の衛星画像/Maxar Technologies

キエフ郊外に到達したロシア軍の車列の衛星画像/Maxar Technologies

(CNN) 米衛星運用会社マクサー・テクノロジーズが2月28日夕に発表した衛星画像は、ウクライナ首都キエフの北西にある道路に64キロ超にわたって伸びる車列を捉えていた。

数百台の戦車やけん引砲、装甲車、兵たん車両がどこから来ているのかは簡単に追跡できる。道路をたどればいいのだ。

ウクライナ国内のキエフより北西の地域では、全ての道路がベラルーシに通じている。チェルノブイリ(事故を起こした原子力発電所ではなく町の名)にある道路や橋はベラルーシが終点だ。この他の主要道路も全て、ウクライナ北部と国境を接するベラルーシにつながっている。

ロシアはウクライナ侵攻に先立ち、数週間にわたってベラルーシに部隊を集結させていた。

ロシア軍の車両や航空機、ヘリコプターがベラルーシに大挙して移動した目的は、両国の言う「合同演習」に参加するためだったが、演習終了後もロシア軍は自国に戻らなかった。

実際、マクサーの別の衛星画像では、ロシアがベラルーシに展開する軍用車や航空戦力、兵器の数を増やし続けた様子が示されている。

複数の衛星画像には、ロシアがウクライナとベラルーシにまたがる地域を流れるプリピャチ川に浮橋を造ったことも示されていた。米衛星企業カペラスペースによる別の衛星画像からは、侵攻開始の当日、ロシアがこの橋を通って数十台の軍用車を移動させ始めたことがうかがえる。

車列の長さは長大であり、ロシアがキエフ制圧のために集結させた軍事力の大きさを物語るものだ。

それと同時に、今回の侵攻を支援、実施したベラルーシの活動や、それに対する責任を浮き彫りにしているとも言える。

ロシアによるこうした軍事力集結はベラルーシの許可と協力なくしては不可能だっただろう。

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