15歳のパレスチナ人容疑者が射殺、相次ぐ襲撃で高まる緊張 イスラエル警察に批判も

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ユダヤ人男性にナイフで襲い掛かかったパレスチナ人が警官に殺害後、ダマスカス門の外にはイスラエル軍が出動した=12月4日/Ahmad Gharabli/AFP/Getty Images

ユダヤ人男性にナイフで襲い掛かかったパレスチナ人が警官に殺害後、ダマスカス門の外にはイスラエル軍が出動した=12月4日/Ahmad Gharabli/AFP/Getty Images

エルサレム(CNN) パレスチナ自治区ヨルダン川西岸で6日、イスラエル軍の検問所に車が突っ込んで警備員1人が負傷する事件があり、容疑者とされる15歳のパレスチナ人の少年が射殺された。イスラエル国防省が明らかにした。負傷した警備員は病院に搬送されて手術を受け、容体は安定しているという。

ヨルダン川西岸とエルサレムでは同様の事件が相次いで緊張が高まっており、イスラエル警察の対応に疑問を投げかける声も浮上している。

6日の事件はヨルダン川西岸トゥルカレム南部にあるイスラエル軍の検問所で発生。現場をとらえた写真には、コンクリート製の建物の窓を突き破って車体が半分つぶれたシルバーの車が写っている。容疑者の少年はヨルダン川西岸の町ナブルス出身で、イスラエル国防省によれば、警備員によって射殺された。

イスラエルのベニー・ガンツ国防相は、ヨルダン川西岸の占領地にある全検問所に対して警戒を強めるよう指示した。

この2日前の4日にはエルサレム市内で男性が刃物で刺されて負傷し、病院に搬送される事件が起きた。警察は、容疑者が地面に倒れて身動きできない様子だったにもかかわらず、何度も銃撃したとして批判されている。

現場を撮影した映像によると、容疑者の男はエルサレムの旧市街に入るダマスカス門付近でナイフを抜き、道路を横断していたユダヤ人の男性(20)に襲い掛かかった。2人はもみ合いになり、被害者の男性は首と上半身を負傷した。続いて容疑者の男は、近づいてきたイスラエル国境警察の警官2人に駆け寄り、警官に撃たれて地面に倒れた。

容疑者はヨルダン川西岸の町サルフィット出身の25歳の男だった。警察は、地面に倒れた容疑者に対し、さらに数発発砲して射殺した。

この映像は批判を巻き起こし、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長は「暗殺」と呼んで非難する声明を発表した。

一方、イスラエルのナフタリ・ベネット首相は「警官は期待された通りの行動をした」と述べて警官を擁護。「我々の首都がテロの温床になってはならない」と強調した。

エルサレムでは今年9月以来、少なくとも5件の襲撃事件が発生した。報道によると、5件ともパレスチナ人の容疑者が射殺されている。

ヨルダン川西岸では、ユダヤ人入植者のパレスチナ人に対する暴行事件の増加に対しても懸念が強まっている。国連人道問題調整事務所(OCHA)の報告によれば、2021年1月~10月の間に報告された暴行事件は410件に上り、20年1年間の358件を上回った。パレスチナ人4人は入植者の暴力によって命を落としている。

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