ANALYSIS

中国の出生率、建国以来最低を記録 今年から人口減少か

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公園でベビーカーを押す保護者ら=11月29日、中国・安徽省/ An Xin/Costfoto/Barcroft Media/Getty Images

公園でベビーカーを押す保護者ら=11月29日、中国・安徽省/ An Xin/Costfoto/Barcroft Media/Getty Images

香港(CNN) 中国の出生率は昨年、1949年の建国以来、最低を記録したことが分かった。出生率の低下はさらに続き、今年から人口が減少に転じるとの見方もある。

国家統計局が先月末に公表した統計年鑑によると、昨年の出生率(人口1000人あたりの出生数)は8.5にとどまった。

今年5月に発表された国勢調査の結果でも、昨年生まれた子どもは1200万人と、一昨年の1465万人から18%も急減していた。

専門家らはこれまで、中国の人口が今後数十年のうちに減少に転じるとの見通しを示してきたが、それが大きく前倒しになる可能性も指摘されている。

北京大学の経済学者、ジェームズ・リアン教授は暫定データに基づく予測として、「今年の出生数は1000万前後かそれ以下となる可能性が非常に高い」との見方を示す。

広州市の人口学者、ホー・ヤフ氏も各地方当局からのデータに基づき、今年の出生数を950万~1050万と見積もっている。中国の近年の年間死者数は1000万人前後。出生数がこれを下回れば、人口は減ることになる。

同氏は先月、SNSへの投稿で「中国の人口は2021年からマイナス成長となる可能性が非常に高い」という見解を示した。5月の時点では国勢調査の結果を受け、人口減少が22年に始まると予想していたが、「当時の予測は楽観的すぎたようだ」と書いている。

出生率はほかにも多くの国で低下傾向にあるが、中国では特に「一人っ子政策」の影響で大きく落ち込んだ。一人っ子政策は15年に廃止され、夫婦1組につき2人まで子どもを持つことが認められたが、出生率は翌年上昇した後、再び下がり続けている。

当局はさらに第3子を容認する方針を示したものの、大きな効果は期待できないとの見方が強い。

中国の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと見込まれる子どもの数)は1.3と、日本の1.34よりさらに低い。

合計特殊出生率が中国を下回る数少ない国としては、シンガポール(1.1)や韓国(0.84)が挙げられる。中国の少子化は今後も続き、まもなくこうした数値に並ぶだろうと、リアン教授は予測する。上海や北京などの大都市ではすでに0.7前後と、世界最低レベルにあるという。

人口の高齢化と労働人口の減少は、中国の経済や社会の安定を大きく揺るがしかねない。

高齢化に圧迫される若者たちの間では、すでに非婚化が進んでいる。統計年鑑によると、昨年届け出のあった結婚は810万件と、7年連続で減少。13年のピークからは40%減となった。

地方当局は一人っ子政策の時代から一転して、子育て世帯への現金支給や育児休暇延長などの支援策を打ち出している。だが企業側がそのコストを負うとなれば、余計な負担を避けようとする力が働き、女性がかえって不利な状況に追い込まれることも懸念される。

中国で急増する中間所得層にとって最大の問題は、子育てにかかる費用だ。リアン教授は、地方だけでなく中央政府が子育て手当や税制優遇措置などの経済的支援を講じ、保育施設の整備などに力を入れるべきだと主張する。

子どもを産まない理由として、住居費や教育費の高さを上げる声も多い。政府が最近、学習塾への締め付けを強めているのは、家庭の教育費負担を軽減するのが狙いとみられているが、リアン教授はこれを「対症療法にすぎない」と批判。長期的な解決策として、大学入試制度の改革を提案している。

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