ドイツの感染拡大、「非常に憂慮すべき」状況に 成人全員に追加接種を提供
(CNN) ドイツで5日、新型コロナウイルスの感染者が2日連続で最多を更新した。保健当局は「非常に憂慮すべき」状況だと警鐘を鳴らすとともに、ワクチン追加接種の対象者を全成人に広げる考えを示している。
ドイツではこの日、3万7000人以上の新規感染者が報告され、流行開始以来最多を記録した前日の感染者数を3000人あまり上回った。
ドイツのワクチン接種は欧州の他の大国に比べ遅い。シュパーン保健相は感染拡大を抑えるため、2回目接種から6カ月経過した人を全員、追加接種の対象者とする考えを明らかにした。
シュパーン氏は記者会見で、「新型コロナウイルスの第4波が猛威を振るっている」と指摘。ドイツは今週、多数の患者を医療がひっ迫した地域から他地域に移送する対応に迫られていた。
またロベルト・コッホ研究所(RKI)は4日遅く、現在の状況は「非常に憂慮すべき」ものだとして、ワクチン未接種者のリスク評価を「高い」から「非常に高い」に引き上げた。接種完了者についても「リスクは中程度と評価されるが、感染率上昇を受けてリスクが高まりつつある」との見方を示した。
ドイツでは国民の約67%がワクチン接種を完了した一方、未接種か1回のみ接種の人も3分の1に上る。
ドイツの第4波は欧州全土で変異株の感染が急増している状況を映す。ワクチン接種率が概して低い欧州東部では特に状況が深刻だ。
ドイツの隣国オーストリアの首都ウィーンは5日、ワクチン未接種の人がカフェや飲食店、理髪店を利用したり、25人以上が参加する催しに参加したりするのを来週末から禁止すると発表した。