タリバーンとの和平協議、「ほぼ進展なし」 アフガン政府担当者がCNNに明かす
アフガニスタン・カブール(CNN) バイデン米大統領がアフガニスタン駐留米軍の完全撤退計画を進める中、反政府武装勢力「タリバーン」とアフガン政府との和平交渉を担当する中心人物は同国の今後について、あまり明るい見通しを持っていない。
国家和解高等評議会のアブドラ・アブドラ議長はこのほどCNNの単独インタビューに答え、両者の協議について「ほとんど進展がない」状態で、「ペースが非常に遅い」との認識を示した。
アフガニスタンの首都カブールの自宅で取材に応じたアブドラ氏は、タリバーンが「勢いづいている」ことを認めた。この数週間、タリバーンは複数の軍事拠点から宣伝工作の動画を流し、アフガン軍が逃げたと主張している。
タリバーンの政治部門の報道官は、カタールのドーハで行われている和平協議についてのビデオ声明で、「自分たちには協議をいくらかでも進展させようとする意図があったが、相手側は和平協議に関心がなかった」と主張した。動画は先月30日に公開され、CNNが入手した。
先週には国連のアフガニスタン担当特別代表を務めるデボラ・ライオンズ氏が、今年5月以降、国内370郡のうち50郡がタリバーンの支配下に入ったと報告した。
アブドラ氏はタリバーンの支配領域拡大の要因として直接的に米軍の撤退に言及はしなかったものの、CNNの取材に対し「我々が選択する立場にあったなら、別の考え方をしただろう」と述べた。