暴力振るう夫を射殺した女性、殺人罪で起訴 フランスで裁判始まる

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自身を虐待する夫を射殺したとして殺人の罪に問われているバレリー・バコ被告/JEFF PACHOUD/AFP/Getty Images

自身を虐待する夫を射殺したとして殺人の罪に問われているバレリー・バコ被告/JEFF PACHOUD/AFP/Getty Images

パリ(CNN) フランスで暴力を振るう夫を射殺したとして殺人の罪に問われたバレリー・バコ被告(40)の公判が21日、同国中部シャロンシュルソーヌの裁判所で始まった。

バコ被告が今年5月に出版した著書はベストセラーになっている。この中で同被告は、2016年に自衛のため、ダニエル・ポレットさんを射殺したことを認めた。殺人罪で有罪になれば終身刑を言い渡される可能性がある。

バコ被告は12歳の時、自分より25歳年上だったポレットさんに強姦されたと訴えている。当時ポレットさんはバコ被告の母親と交際していて、著書の中でバコ被告はポレットさんを義父と呼んでいた。

ポレットさんは1996年、未成年に対する強姦罪で有罪判決を受け、2年半服役した。

著書によれば、バコ被告は出所したポレットさんから再び虐待されるようになり、17歳で妊娠させられた。

18年の間に2人の間には4人の子どもが生まれ、そのうちの2人は、バコさんが射殺したポレットさんの遺体を埋める作業を手伝った。2人は2019年、死体隠蔽(いんぺい)の罪で6カ月の執行猶予付き禁錮刑を言い渡されている。

バコ被告は警察の調べに対し、ポレットさんから繰り返し暴行され、売春を強要されたと供述。もし自分の元から逃げればバコ被告も子どもたちも殺すと何度も脅されたと訴えていた。

検察側は、ポレットさん殺害は計画的だったと主張しているが、バコ被告側はこれを否定している。

1月には、バコ被告に実刑を科さないよう求めるオンライン署名活動が開始され、これまでに58万を超す署名が集まった。

公判は5日間続く見通し。支援団体によれば、フランスでは今年だけで43人の女性が夫やパートナーによって殺害されている。

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