唾吐きかけられた駅係員、新型コロナ感染症で死亡 英ロンドン

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つばをかけられた駅係員が新型コロナに感染し死亡した/Family Handout/PA

つばをかけられた駅係員が新型コロナに感染し死亡した/Family Handout/PA

(CNN) 英ロンドン中部の駅の切符売り場に勤務していた女性係員が、新型コロナウイルス感染症のため死亡した。労組の12日の発表によると、女性は勤務中に男から唾(つば)を吐きかけられる被害に遭っていた。

労組の発表によると、死亡したのはゴビアテムズライン鉄道(GTR)の係員だったベリー・ムジンガさん(47)。3月21日にロンドン中部ビクトリア駅で同僚と勤務中に、新型コロナウイルスに感染したという男から唾を吐きかけられ、咳(せき)を浴びせられる被害に遭っていた。

英鉄道警察は、この事件に関する捜査に乗り出したことを明らかにした。

労組によると、被害に遭ったムジンガさんと同僚は、その日は建物の中に入って一般の人との間に仕切りを設けて仕事をさせてほしいと懇願した。しかし上司はそれを聞き入れず、駅のコンコースに戻るよう指示して勤務時間が終わるまで仕事を続けさせた。

2人は指示に従ってコンコースに戻った。身を守るための防護具は持っていなかった。

ムジンガさんは呼吸器系の基礎疾患があり、過去に手術を受けていた。組合は、会社がムジンガさんの疾患のことを知っていながら、3月25日に医師から連絡を受けるまでムジンガさんを休ませなかったと指摘。「彼女の死は避けられないものではなかった」と述べ、事件の重大性に関する同社の認識が不十分だったと批判している。

ムジンガさんも一緒にいた同僚も、ビクトリア駅で被害に遭った数日後に体調を崩し、ムジンガさんは11日後の4月2日、ロンドン北部の病院に救急搬送されて人工呼吸器を装着された。

ムジンガさんは事件から14日後の4月5日、死亡した。残された11歳の娘と夫に会えたのは、救急搬送された日が最後だった。

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