クルーズ船の米国人乗客、帰国の途に 退避作戦に戸惑いも
(CNN) 新型コロナウイルスの集団感染で横浜港に停泊しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から、米国人の乗客らがチャーター機で帰国の途に就いた。米政府が急きょ発表した退避作戦だが、本人たちから戸惑いや不満の声も上がっている。
ダイヤモンド・プリンセスは今月3日から検疫のため停泊中。乗客乗員約3400人のうち、コロナウイルス感染者は16日に確認された70人を含め、計356人に上っている。
検疫期間は19日に終了する。18日に実施される検査の結果を待って、21日から下船が始まる見通しだ。
ダイヤモンド・プリンセスには400人あまりの米国人が乗船している。米政府は当初、この措置を受け入れる構えだったが、15日になって突然、東京の米大使館から船内の米国人に退避の通知が送られた。
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」には400人あまりの米国人が乗船している/CHARLY TRIBALLEAU/AFP//Getty Images
18日の検査を受けずにチャーター機で帰国する乗客らは、米国内で14日間隔離される。帰国を希望しない場合は今後14日間、日本での待機を義務付けられる。
これに対して米国人乗客の1人は、「無実の罪で禁錮刑になったり、わけもなく人質にされたりするようなもの」と語った。
感染が確認されている米国人46人や、感染の兆候がみられる乗客らはチャーター機に乗ることができない。患者を残して帰国するわけにはいかないと話す家族もいる。
船内に全員を閉じ込める措置に対しては、専門家から「時代遅れ」などの批判があったにもかかわらず、米政府はなぜもっと早く対応しなかったのかと問う声も上がっている。
クルーズ船に向かって手を振る乗客の家族/Charly Triballeau/AFP/Getty Images
米国に続いてカナダ政府が16日、自国民の退避計画を発表した。香港政府も同日、下船する乗客を帰還させるためにチャーター機を派遣する方針を示した。